陥入爪とは
陥入爪は、深爪や爪に強い力が加わったことが原因となって爪が皮膚に食い込んでしまった状態を言います。
原因として窮屈な靴や先端の尖った靴、深爪などが多いですが、一番の原因は深爪です。
陥入爪の症状
足の親指に生じることが多く、爪が食い込んだ場所が赤く腫れて痛みます。
腫れた皮膚に菌がついてさらに腫れたり、腫れた皮膚がさらに爪に食い込んで腫れるという悪循環におちいるため、対策を講じないとなかなか治りません。
食い込んだ部分が赤く腫れて少し痛い程度の症状であれば、テーピングで治る可能性があります。
痛みや腫れが強かったり、時には赤く盛り上がった出血しやすい肉芽ができてしまったり、爪が皮膚に埋もれているような症状であれば手術が必要になることが多いです。
陥入爪の治療
陥入爪の治療は、皮膚に爪が食い込まないようにすること、起こっている炎症を抑えることです。
当院では症状に合わせて下記の治療法を行なっています。
・ステロイドの塗り薬、液体窒素、抗菌薬の飲み薬
この3つは爪が皮膚に食い込んで起こった炎症や肉芽を軽減するための治療です。
陥入爪は、爪の食い込みを解除し、肉芽や赤く腫れた場所にステロイドの塗り薬を塗る治療が基本です。
時に肉芽を小さくするために液体窒素治療を行うこともあります。菌が悪さをしている場合は抗菌薬の飲み薬の治療を同時に行います。
以下の3つは 爪が皮膚に食い込んでいる状態を解除する治療です。
・テーピング法
軽傷の陥入爪であればテーピングで改善が期待できます。
粘着力の強いテープを使って、爪が刺さっている部分の皮膚を爪から遠ざけるように引っ張ります。
ご自宅で継続的に行っていただきます。
食い込みの程度が軽く、腫れて少し痛みがあるという程度の症状はテーピングを行います。
1、2週間程で腫れと赤みが引いて改善するか様子を見ます。テーピング治療をしても腫れや赤みや痛みが改善する兆しがなければ陥入爪手術を行うか検討します。
手術のメリットは食い込みを物理的に解除するため速やかに腫れ・痛みの改善が得られることですが、デメリットとして爪の幅が狭くなってしまうことと爪と側爪郭(爪の横側の皮膚)が離れてしまうため爪の変形のリスクがあります。
テーピングで数年にわたって治療して改善の無かった方が陥入爪手術後にすぐに改善することも多く、テーピングなどの他の治療で痛みや腫れに改善が得られない場合は陥入爪手術を行うことをおすすめします。
・ガター法
食い込んでいる爪と皮膚の間に柔らかいチューブを挟み、爪が皮膚に食い込まないようにします。
挟んだチューブは爪が伸びて外れるまでそのままにします。
・陥入爪手術
足の親指に多いですが、深爪をきっかけに爪が皮膚に食い込んでしまった状況に対して陥入爪手術を行います。
テーピングで数年にわたって治療して改善の無かった方が陥入爪手術後にすぐに改善することも多く、テーピングなどの他の治療で痛みや腫れに改善が得られない場合は陥入爪手術を行うことをおすすめします。
陥入爪手術のメリット
食い込みを物理的に取り除けるため、速やかに腫れ・痛みの改善が得られることです。
陥入爪手術のデメリット
爪の幅が狭くなってしまうことと爪と側爪郭(爪の横側の皮膚)が離れてしまうため爪の変形のリスクがあります。症状によってリスクの可能性は異なりますので、診断時に説明を行います。
陥入爪手術の方法
まずは指の根本に麻酔を行い、指の先まで麻酔が効くのをお待ちいただきます。
麻酔が効いたところで食い込んでいる部分の爪を短冊状に切除し、爪の生えてくる部分(爪の根本の部分)を焼灼することで、食い込んでいる部分の爪を生えないようにして、今後爪が食い込んで困らないようにする処置です。
爪を除去した部分は傷を治す処置を行い、3週間程度で傷が埋まります。
食い込みが解除されるので術後から痛みが軽減します。陥入爪手術施行当日はシャワー、飲酒、運動は控えていただきますが、翌日からシャワーで創部を洗っていただきます。創部が治るまでは湯船に入ることは控えてください。
術後はガーゼで厚く保護するため、帰りは靴が履けませんので注意が必要です。ご希望の方は指先のあいたサンダルを持ってご来院ください。