疥癬とは
疥癬はヒゼンダニというダニの一種が皮膚に寄生して体がかゆくなる病気です。
抵抗力の弱った高齢者に多く、施設で集団感染する場合があります。手、わき、おしり、陰部など体の柔らかいところに多いですが、全身どこでも症状は出現します。かゆみが強く、かき壊したことによる赤みやかさぶたが目立つのが特徴です。指の間にヒゼンダニが這ったあとのトンネルがみえることがあり、疥癬トンネルとも呼ばれています。
疥癬の診断と治療
疥癬は高齢者に多いので、皮膚の乾燥による湿疹と区別がつきにくい場合が多いです。わきや陰部に赤みの有るボコッとした結節がある場合、腕や脚のかき壊しが多くかさぶたが多数付着している場合など、疥癬を疑う見た目の場合には拡大鏡(ダーモスコープ)や顕微鏡の検査で疥癬がいることを確認します。
自宅、もしくは施設入所者に疥癬患者がいる場合には、疥癬に感染しているリスクが高くなります。
疥癬はストロメクトールという内服薬で治療することが一般的です。診断したときと、その1週間後の計2回薬を飲むことで、効果的に治療ができます。飲み薬は空腹時に水で飲みます。その他、スミスリンローションやオイラックスクリームなどの塗り薬を使うこともあります。
治療でヒゼンダニを退治できたとしても、虫の成分に対するアレルギー反応でしばらく体のかゆみが続くことが多いです。そのため、治療終了後も定期的な受診を勧めています。