脂漏性皮膚炎とは
皮膚では毛穴の中にある脂腺から皮脂が分泌されていますが、皮脂の分泌が多くなった状態を脂漏といいます。皮脂が紫外線で酸化したり、常在菌のカビ(マラセチア)によって刺激の強い脂肪酸に分解されることで皮膚に刺激になって湿疹が引き起こされます。これが脂漏性皮膚炎です。頭や顔などの皮脂分泌の多い場所にできやすいのが特徴です。その他、胸や脇にできることもあります。
脂漏性皮膚炎の治療
乳児はホルモンの影響で一時的に皮脂の分泌が多くなるので脂漏性皮膚炎になることがありますが、大きくなるにつれて皮脂の分泌が減るので自然に治ることが多いです。治療薬としては抗真菌薬の塗り薬とステロイドの塗り薬がメインです。ステロイドは湿疹の炎症を取ってくれる薬で即効性がありますが、抗真菌薬は皮脂を分解するカビを減らすだけではなく、ゆっくりと炎症をとる効果もあります。症状が悪い時はステロイドで早く湿疹を治し、その後抗真菌薬の塗り薬でカビのバランスを整えながら炎症を落ち着かせた状態を維持します。皮脂の分泌や皮膚に共生しているカビが原因で起こるものですので、体質といった側面もあります。ですので、薬だけでなく生活習慣の改善も大切で、抗真菌薬の成分の入った薬用のシャンプーや石鹸で患部を洗ってカビのバランスを整えることや、ストレスや疲れは皮脂の分泌を促しますので、食事、睡眠などに関して規則正しい生活をしてストレスや疲れを避けることも大事です。また、お酒を飲んだ後は脂漏性皮膚炎が出ますので、お酒は控えていただく方が良いです。