掌蹠膿疱症とは
手のひらや足の裏に、米粒大の膿が繰り返しできる皮膚の病気です。膿といっても菌がいるわけではなく、無菌性膿疱と呼ばれます。その他、膿と一緒に紅い斑点や皮むけがあらわれます。小さな水ぶくれやかゆみ、爪の変形なども症状がでますし、時に鎖骨を中心とした関節の痛みの原因となることもあります。また、手のひらや足の裏以外の場所にも見られることもあります(掌蹠外皮疹と呼ばれます)。
病気の原因としては扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎、中耳炎といった病巣感染(体のどこかで細菌が絶えず炎症を起こしている状態)や、歯科金属などの金属アレルギーが関係している方もいらっしゃいますが、全員がそうではなく、はっきりとした原因は分かっていません。また、掌蹠膿疱症は喫煙者が多いことから、掌蹠膿疱症と喫煙は何らかの関係があると考えられています。禁煙をすると治る方もいらっしゃいますし、治るとまではいかないまでも症状は軽くなりますので禁煙をお勧めしています。掌蹠膿疱症はかぜや扁桃炎がきっかけとなって発症したり悪化したりすることがあります。かぜなどをひかないよう日頃から気を付けることが大切です。
掌蹠膿疱症の治療
外用療法が中心で、内服療法、紫外線治療を組み合わせると効果的ですが長い期間にわたって良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮疹が良くなるまでに平均5〜7年かかると言われています。病巣感染や金属アレルギーなどが明らかな場合は、それらを除去する治療を行う場合もあります。
外用療法としては、皮膚の新陳代謝の不調と免疫の異常を整える活性型ビタミンD3、炎症を抑えるステロイド、硬くなった皮膚を柔らかくするサリチル酸ワセリンの塗り薬、保湿剤、内服療法としては炎症を抑える抗菌薬の飲み薬やビタミンA誘導体の飲み薬、紫外線療法としてはナローバンドUVBやエキシマライトの照射が当院で行えます。
どうしても足の皮がむけると気になって剥いてしまいます。皮膚を剥くと剥いた場所が炎症を起こして掌蹠膿疱症が悪くなってしまいますので、保湿をして皮が気にならないようにすること、気になっても剥かないようにすることが大切です。