足白癬(水虫)
水虫はとても有名なので身近なものとして知っていることと思います。足に皮膚糸状菌というカビが住み着いて増えてしまうことで皮むけやかゆみがでます。市販薬で治療されることもあると思いますが、水虫と思っていたのが実は水虫でなかったり、治療が中途半端になってしまったり、薬の成分でかぶれてしまったりということもありますので、皮膚科で診断をつけて十分な治療をしましょう。
足白癬(水虫)とは
水虫(足白癬)は皮膚糸状菌というカビが足に住み着いてしまった状態です。白癬菌は足だけでなく手、頭、股部、体などにも感染することがあります。水虫は高温多湿なところが大好きなため、靴を履いている時間が長い人、汗をかきやすい人、足の指が太く指と指のすきまがあいていない人は特に注意が必要です。
足白癬の症状のあらわれ方は趾間型、小水疱型、角質増殖型の3つのタイプに分けられています。
趾間型は最も多いタイプで、足趾の間が赤くなり小さい水ぶくれや皮むけができます。白くふやけたり、指の間が切れてしまうこともあります。耐え難いほどのかゆみがでることもあります。
小水疱型は土踏まず、指の根元、足の縁に小さい水ぶくれができて、乾燥したり皮むけが起こったりします。
角質増殖型は足の裏、かかと、足全体の皮膚などが硬くなったりざらざらしてきます。あかぎれになって痛みがでることもあります。
水虫と聞いて一番気になることは”どこからうつったか”ということだと思います。水虫の人がいると風呂場の足ふきマットには水虫がいることが多いです。そのため家族に水虫の方がいれば、マットを他の家族と分けて使用します。またスポーツジムや温泉などに行った後は家に帰ってから足を洗うなど予防が大切となります。仮に水虫菌が足についてしまったとしても12時間以内に洗い流せば皮膚に住み着かない、ということが知られていますので、外出から帰ったら家のお風呂で足を洗うことも大切です。水虫の方が履いていたスリッパを素足で履くと感染したりするので注意が必要です。
足白癬(水虫)の診断と治療
足白癬の診断は、足の皮むけを顕微鏡で調べて白癬菌を確認することです。足白癬と似た症状の湿疹などがあり、見た目だけでは区別がつかないため、菌を見て確かめる必要があります。市販の抗真菌薬を塗っていると菌が中途半端にいなくなっていて顕微鏡検査で菌が見えないことがあるため、自己判断はせずに皮膚科への受診をお勧めします。足がかゆくて皮膚がむけて水虫を疑っている方の4割は水虫ではないと言われています。また、市販の薬を塗ってかぶれたと受診される方も多くいらっしゃいます。治療のトラブルを避けるためにも皮膚科での治療をお勧めします。
治療については、趾間型と小水疱型は抗真菌薬の塗り薬で効果がありますが、角質増殖型は塗り薬があまり効かないので、抗真菌薬の飲み薬を使う必要があります。
また、塗り薬は症状があって気になるところだけに塗るのではなく、くるぶしから先の足全体に塗り最低2か月は毎日入浴後外用を続けることが大事です。水虫の細かい傷からバイ菌が入って感染症を起こしてしまったら抗菌薬の飲み薬や塗り薬が必要になります。抗真菌薬の塗り薬にかぶれてしまう方が時々いらっしゃいますので、塗り薬を使っていて症状が悪くなるようでしたら早めに受診をしてください。また、水虫の部分がジュクジュクしていたりすると抗真菌薬の塗り薬を使うとかぶれてしまう可能性が高いので、抗真菌薬の塗り薬を使い始める前にステロイドの塗り薬で皮膚の状態を良くするといった対処が必要です。
生活習慣として大事なことは、靴下は通気性のよいものとし、なるべく靴を履く時間を短くします。5本指の靴下がおすすめです。また風呂場の足ふきマットはこまめに洗濯し天日干しをします。畳や絨毯などをよく掃除することも大切です。