梅毒とは
梅毒は性感染症の一種で皮膚、皮膚以外に多彩な症状を出します。皮膚による症状で診断されることが多いですので、気になる場合には採血で診断ができます。梅毒は感染してもしばらく症状が出ないことが多いですが、皮膚科を受診する症状としてはバラ疹とも呼ばれる体の赤みのことがほとんどです。多くの方で、左右対称に多発する皮むけのある小豆大くらいの赤みがでます。梅毒の場合はほかの病気で体が赤くなる場合と違い、かゆみはほとんどありません。腕や脚を含めた全身に発疹が出ることが多く、手のひらや足の裏にも円形の赤みが出現するのがほかの病気と区別できる点になります。
梅毒の診断と治療
体の広い範囲が赤くなる病気には湿疹、体部白癬(水虫)、ジベルばら色粃糠疹、乾癬、多型紅斑、など多くの病気があるので、見た目だけでは診断が難しい場合があります。かゆみが少ないこと、手のひらや足の裏まで症状が出ていることは梅毒の特徴ですので、手がかりになります。
梅毒を疑うときには採血でRPRやTPHAという項目を調べます。結果は1週間程度で出ます。
梅毒はスピロヘータという細菌が原因の性感染症なので、ペニシリン系の抗菌薬、サワシリンを飲みます。通常よりも多めの量で、症状に応じて飲む期間は変わりますが、2ヶ月など長い期間治療を行う必要があるときもあります。また、採血も定期的に行い、RPRやTPHAなどの値の変化をみてサワシリンの効果を確認する必要があります。当院でも採血を行いながらの治療を行っていますので、ご相談ください。