川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」JR「川崎駅」西口より徒歩約3分。保険診療主体で一般皮膚科から手術(ほくろやいぼ、粉瘤)、レーザー(あざやシミ)、紫外線治療(アトピー性皮膚炎、白斑、乾癬)、アレルギー検査(じんましん、花粉症)まで幅広い皮膚のお悩みに対応します。

ニキビ

継続的に治療を行うことが一番重要です。対処は早ければ早いほど効果的です。症状にあった治療を行いますのでご相談ください

ニキビは、毛穴が詰まってニキビ菌が増えることで赤く腫れてしまいます。ニキビの治療の基本は毛穴の詰まりをとることとニキビ菌を減らすことですが、治療は数日では難しく、目に見える効果が出てくるのに短くても2週間ほどはかかります。毎日続けることで着実にニキビの数は減っていきますので頑張りましょう。
ニキビといえば思春期に出るイメージだと思いますが、大人になってから出る方も多いですし、クリニックを訪れるニキビの患者さんはむしろ20~30代の方が多いです。乳児やお子さんにできることもあります。
炎症を起こしてしまうと皮膚が凹んだり盛り上がったりと跡になってしまうことも多いですので、腫れてしまう前に早めに治療するのが大切です。

ニキビとは

毛穴の中には皮脂を分泌する脂腺がくっついていますが、一部の毛穴は脂腺が発達していて脂腺性毛包と呼ばれます。この脂腺性毛包は毛穴の中が広いため、角質や皮脂が詰まりやすくなっています。角質や皮脂で毛穴が詰まった状態がニキビのでき始めで、いわゆる白ニキビの状態です。皮脂や角質が詰まっている状態ではアクネ菌(ニキビ菌)が増えやすく、ニキビ菌が増えて炎症を起こしてしまった状態が赤ニキビです。

以上を踏まえて、ニキビの原因は大きく3つにわけられます。

  • 1.男性ホルモンの作用で脂腺が異常に増殖し、皮脂の分泌が過剰になる。皮脂が毛穴を塞いだり、皮脂自体が刺激となって炎症を起こす。
  • 2.毛穴の角質が異常に増殖して毛穴が詰まる
  • 3.アクネ菌が毛穴で増殖して炎症を起こす

思春期にニキビが増えるのは、男性ホルモンの影響で皮脂の分泌が増えることによります。生理前に顎やフェイスラインのニキビが悪くなるのもホルモンの影響と考えられています。
ニキビというとたいした病気ではなく、自然に治るのを待つ、もしくは市販薬で対応する、という方も多いと思います。

ここで問題になるのは、ニキビを放っておくと度重なる炎症で皮膚が傷ついてしまい、皮膚がへこむ、盛り上がる、黒くシミになる、といったニキビ痕が残ってしまうことです。
黒く残ったニキビあとのシミは日焼けと同じような状態ですので、ニキビの炎症を抑えてしまえば数か月で徐々に薄くなっていきます。
硬い盛り上がりやへこみのニキビあとは皮膚が変形してしまった結果ですので、後で治すことが非常に難しいです。ニキビ痕の治療は予防が一番大事で、なるべくニキビが早めに治療し、症状を長引かせないことが大切です。
市販薬もありますが、処方薬のほうが治療効果がしっかりしています。毎日治療を続ければ治療効果が出ます。毎日続けるというのが大事で、ニキビの薬は湿疹と異なり、2、3日で効果が出るというものではありません。効果を実感できるようになるには2週間はかかります。その後も効果が続きますが、しっかり効果が実感できる3か月を目標に頑張りましょう。すぐに治らないからといってやめてしまうのではなく、まずは続けようと思ってモチベーションを保つことが大切です。

ニキビの治療

ニキビの治療は角質や皮脂による毛穴の詰まりを改善する、ニキビ菌が増えて起きた炎症を抑えるの2点です。

ニキビの治療薬は毛穴の詰まりやニキビ菌による炎症に作用して効果を発揮します。
ニキビが腫れて赤ニキビになった時のみ対処するだけでは良くなったり悪くなったりを繰り返してしまいますので、毛穴の詰まりを改善してニキビを根本から解決していくことが大切です。

ニキビの治療(塗り薬)

クリニックで処方できるニキビの塗り薬は大きく分けて3つあります。
それぞれ異なったアプローチでニキビに効果をあげます。

アダパレン:ディフェリン(角質の詰まりを改善)
過酸化ベンゾイル:ベピオ(角質の詰まり、ニキビ菌を改善)
抗菌薬:ダラシン、アクアチム、ゼビアックス(ニキビ菌を改善)

2つ以上の薬を最初から混ぜたものもあります。
 デュアック:ベピオ+ダラシン
 エピデュオ:ベピオ+ディフェリン
2つ以上の塗り薬を混ぜたものは効果が高く、1日1回ぬればいいので毎日使いやすい優れものです。

アダパレン(ディフェリン)

アダパレンはビタミンA誘導体に似た成分の薬です。毛穴の角質の異常な角化を抑えることで角質による毛穴の詰まりを改善してニキビを治します。抗菌薬の塗り薬と一緒に使うことで赤ニキビの治りを良くすることもわかっています。即効性はないですがニキビに対する効果は高く、2週間ほど使うと効果を実感し始め、4~8週間使うとかなりの効果を実感できます。 寝る前に一度、洗顔後に塗ります。

副作用としては使い始めたころの刺激感があります。個人差はありますが多くの人が経験し、塗り始めの段階で赤みや皮むけ、ひりひり感が出現します。2週間程継続して塗っていると刺激感はおさまることが多いので、症状が強くなければ頑張って継続することをお勧めします。最初に目立たない一部の場所に塗って刺激感を確認し、刺激感が強い場合は最初は薄めに塗ったり、間隔をのばして一日おきに塗ってみるなどから始めるとよいです。一度にたくさん使うよりも、少しずつでも良いので継続することが大切です。ビタミンA誘導体の薬と同様に、妊娠中、授乳中は使えない薬になります。長期に使っても安全で、一度慣れてしまえば使いやすいお薬です。皮膚のターンオーバーを改善しますので、メラニンを皮膚の外に出す作用があり、ニキビあとの黒っぽいシミにも効果があります。

過酸化ベンゾイル(ベピオ)

過酸化ベンゾイルは、活性酸素の作用で抗菌効果に加えて詰まった角質を剥がすピーリングの効果を発揮します。赤ニキビから毛穴の詰まりまで幅広く効果を期待できる薬です。この薬は冷所保存が必要です。
アダパレンほどではないのですが、使い始めた頃にピーリングの効果で赤くなる、皮むけがでるといった刺激症状が出ることがあります。その際もアダパレンのように外用方法を工夫すると慣れてきます。
ベピオとダラシンを一緒に混ぜたデュアックという処方薬も発売されています。こちらは1日1回寝る前に塗る薬で、活性酸素による詰まった角質の剥離作用と抗菌作用、抗菌薬による抗菌作用を一度に発揮できるので使いやすいです薬です。
ディフェリンとベピオが混ざったエピデュオという薬もあります。アダパレンによる毛穴の角質の角化異常の改善作用と過酸化ベンゾイルによる角質剥離作用、抗菌作用を同時に発揮します。アダパレンも過酸化ベンゾイルも使い始めは皮膚に刺激がでやすい成分ですので赤みやがさがさが出やすいですが、すでにアダパレンとベピオに慣れていれば使用可能です。

抗菌薬の塗り薬(ダラシン、ゼビアックス、アクアチム)

抗菌薬はニキビ菌を抑えることで炎症を改善します。赤ニキビに使います。抗菌薬の塗り薬はアダパレンや過酸化ベンゾイルと違って赤くなったりがさがさしたりといった刺激症状がほとんど出ませんので使いやすい薬です。
ダラシン、ゼビアックスとアクアチムという抗菌薬が使えますので、症状を見ながら使います。

塗り薬は組み合わせて使うと効果が上がる

塗り薬にはアダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬と大きく分けて3種類ありますが、それぞれ効果の発揮の仕方が違いますので、組み合わせて使うと効果が高くなります。ひとりひとりどの薬が一番よく効くかは異なりますので、効果を見ながら一番よく効く組み合わせを選んでいきます。
また、自費治療になりますが、角質を剥離させるケミカルピーリングを行い毛穴の詰まりを取ることも効果的です。

ニキビの治療(飲み薬)

抗菌薬の飲み薬

ニキビの数が多い場合、赤くなって炎症を起こしている場合には塗り薬だけでは炎症を抑えるのに効果が不十分なことがあります。そのような時には抗菌薬の飲み薬を使います。ルリッド、ビブラマイシン、ミノマイシンといった薬が処方でき、赤ニキビの炎症を抑える作用があります。4〜8週間程度使うことで症状が改善します。塗り薬と同時に使って効果を上げます。

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