異所性蒙古斑とは
蒙古斑は新生児のお尻にみられる灰青色の色素斑で、生後2年くらいで最も目立ちその後時間と共に消えていきます。7歳までにほとんどが消失しますが、3〜4%の方で成人まで残ると言われています。
蒙古斑はお尻以外にも体幹背面によく見られ、お尻や体幹背面に見られる蒙古斑は通常の蒙古斑と呼ばれます。
一方で、体幹背面以外に見られる頻度は少なく、体幹背面以外に見られる蒙古斑(手足に多いです)は異所性蒙古斑と呼ばれます。
蒙古斑、異所性蒙古斑共に時間の経過とともに薄くなっていきますが濃いものは目立たなくなるほどには薄くならなかったり、中にはしつこく色味が残ったりする蒙古斑もあります。通常の蒙古斑に比べて異所性蒙古斑は消失するのが遅く、残存するものも多いです。
そういった持続性の異所性蒙古斑に対してはレーザー照射を行うことで消退したタイミングでわからなくなるように治療で手助けしたり、成人になってしつこく残っている異所性蒙古斑に対してQスイッチレーザーで蒙古斑を薄くしたりすることが可能です。
異所性蒙古斑の原因
皮膚の深い部分の真皮の部分にメラニン色素を産生する色素細胞が見られることが原因で青っぽい色素斑となります。本来生まれてくるまでに消失するはずだった真皮の色素細胞が生後も消えずに残存していることが原因だと考えられています。
異所性蒙古斑の治療
お子さんに見られる薄い蒙古斑は時間と共に薄くなっていくので時間を待ちます。濃い蒙古斑であったり、成人しても残っている異所性蒙古斑については自然経過での消退が期待できないので治療介入を行うことになります。
当院の治療方法
メラニンをピンポイントで破壊するQスイッチレーザーによる治療を行います。真皮の部分に増えているメラニン色素をもった色素細胞を除去するのが目的です。
保険診療にて3ヶ月以上の間隔をあけて
複数回のレーザー照射を行います。
お子さんの場合
時間と共に薄くなっていくので経過で目立たなくなるであろう程度の薄さになるまで数回照射します。
成人の場合
しつこく残っている異所性蒙古斑の場合はある程度しっかりした回数で目標の薄さまで照射を行います。
表皮にもメラニン色素があるので、日焼けした部分に照射するとやけどを起こすため照射前後には日焼けをしないように十分注意が必要です。
また、照射でダメージを受けた表皮のメラニン色素が戻るまでに次の照射を行うと色素脱失となってしまいます。その予兆が見られた場合は照射間隔を3ヶ月より長く取り、表皮のメラニン色素の回復期間を設けることで副作用が出ないようにする必要があります。
レーザー治療の費用について(保険診療で3割負担の場合)
照射面積で料金が変わります
4cm²以下 | 約6,000円 |
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4~16cm² | 約7,100円 |
16~64cm² | 約8,700円 |
64cm²以上 | 約12,000円 |