皮膚生検・病理組織検査とは
見た目のみでは診断をつけるのが難しい場合や強い治療を行う前に診断をしっかりと確定させたい場合、悪性が疑われるできものの場合などに行う検査です。
局所麻酔をした後に皮膚を一部採取します。
採取した皮膚を顕微鏡で見れば表皮、真皮、皮下脂肪組織を断面図で見ることができ、炎症を起こしていればどんな細胞がどのようなパターンで炎症を起こしているか、できものができていればそこでどんな細胞が増えているのかなどが観察できます。顕微鏡で観察することで詳細な情報が得られ、その結果を元に診断をつけます。結果が出るまで2週間程度かかります。
採取方法
皮膚の採取方法は大きく分けてパンチ生検、紡錘形切除の2パターンのやり方があります。
①パンチ生検
局所麻酔を行なった後に2mm〜6mmのトレパンという円柱状の筒でくり抜きます。表皮、真皮、脂肪組織が筒状に採取できます。その後傷を縫合しますが、場所によっては縫合を行わない方が傷が綺麗に治ると判断する場合があり、その場合は縫合せずに処置で傷を治します。縫合した場合は線状の跡が少し残り、縫合しない場合はニキビの跡のようになります。
②紡錘形切除
局所麻酔を行なった後に病変部の皮膚を紡錘形(葉っぱの形)に切除して採取します。パンチ生検より長く皮膚を採取するので多くの情報が得られます。創部は縫合し、線状の傷跡になります。
診察の流れ
1.診察にて皮膚生検が必要かどうか判断します
診察で見た目のみでの診断が難しかったり、強い治療を行う前に診断をしっかりと確定させたい場合、悪性が疑われるできものの場合は皮膚生検が必要な検査であることをお話し、ご納得いただいた上で皮膚生検を行うことを決定します。
2.皮膚生検の実施
診察が終わりましたら、皮膚生検の準備をしますので一旦待合室でお待ちいただきます。皮膚生検の準備ができましたら処置室にお呼びします。ベッドに横になっていただき、皮膚生検部位の周りを整えた後、注射による局所麻酔を行います。その後、パンチ生検、紡錘形切除を行います。皮膚生検が終わりましたら、傷を覆って終了です。
3.術後処置の説明
術後の傷の扱いについて説明いたします。
生検部分が化膿しないように化膿止めの飲み薬のほか、痛み止めの飲み薬と傷の塗り薬を処方します。
術後の傷の処置は傷を綺麗に治すためにとても大切ですので、毎日適切な処置を行うようお願いします。
4.抜糸、傷の診察
1週間後に抜糸、傷の診察のために来院をしていただきます。傷の状態によって適切な処置を提案します。
術2週間後に結果説明のためにご来院いただきます。その結果を元に診断、治療方針を決定します。