紫外線治療(ナローバンドUVB、エキシマライト)
紫外線治療では、紫外線の中でも効果のある特定の波長(311±2nmのナローバンドUVB、308nmのエキシマライト)を当てることで皮膚の炎症、かゆみを抑える効果があります。
保険適応では、アトピー性皮膚炎、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、菌状息肉症、悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹で治療に使用することができますが、ほかにも円形脱毛症、手湿疹、痒疹、扁平苔癬、環状肉芽種などの病気にも効果があります。当院は症状に合わせて全身用のナローバンドUVBと局所用のエキシマライトの2台の紫外線照射器を導入しています。従来の塗り薬治療で効果がみられなかった方にも効果が期待できますのでご相談ください。
紫外線治療では
1.皮膚のかゆみを早く抑える
2.症状が早く改善するので、トータルの塗り薬の量が少なくて済む
3.治療効果が持続するので、再発の予防になる
といった効果が期待できます。
しっかり効果を出すためには治療初期は週2、3回程度治療を行うのがよいですが、特に症状が改善したあとの維持などに治療間隔を伸ばして2週に1回通っていただくのも効果的です。まずは10回を目安にしっかり治療をされることをお勧めします。
照射は少量から開始し、皮膚の状態にあわせて慣らしながら照射量を増やしていきます。一度に多くの量を当てすぎると赤く日焼けをしたような状態になり、逆に炎症を引き起こしてしまいますので、皮膚が赤くなったりヒリヒリしない強さで紫外線治療を行っていくことが重要です。具体的には、照射当日や次の日に赤みがみられた時は、先回と同じ照射量で行います。ひりひりとした強い日焼けの症状が出た場合は症状が治るまで治療を休み、照射量を減らして再開するといった形で照射量を調整するのが一般的です。
紫外線療法と一緒に塗り薬・飲み薬の治療をしっかり行っていきます。
診療の流れ(初診の方)
1.問診票の記入
適切な治療のため、問診票のご記入をお願いいたします。
具体的な症状や症状が出始めた時期、症状のある部位をご記入ください。今までに他院で治療を行ったことがある方は塗り薬や飲み薬などの治療内容を記載していただくとスムーズです。お薬手帳をお持ちの場合はご持参ください。持病や食べ物・金属などへのアレルギーがある場合はご記入をお願いします。
2.診察、治療方針の決定
ご記入いただいた問診票をもとに、診察を行います。病変の部位や状態、大きさによってナローバンドUVBによる全身照射か、エキシマライトによる部分照射かを決定します。
3.ナローバンドUVBまたはエキシマライトを照射
紫外線治療器のある処置室へご案内して治療を開始します。治療中は紫外線から目を保護するため専用のサングラスをご用意しています。1回の照射時間はひとりひとり異なりますが、ナローバンドUVBは5分程度、エキシマライトは1箇所につき数秒です。照射が終わりましたら待合室でお会計をお待ちいただきます。
診療の流れ(再診の方)
※紫外線療法でかかっている症状とは別の症状の診察もご希望の方は通常の診察と同じ流れになります。
1.処置室へのご案内、診察
処置室にご案内し、紫外線療法の専用スペースで診察を行います。前回照射後に赤みやひりひりといった症状が起きなかったか、かゆみの改善などの治療後の効果を実感されているかをお教えください。
2.ナローバンドUVBまたはエキシマライトを照射
前回照射後の反応や効果を見ながら照射量を決め、照射を行います。照射が終わりましたら待合室でお会計をお待ちいただきます。