一度できてしまうと気になってくるのがニキビ跡ではないでしょうか。

そこで今回は、ニキビ跡の種類や原因、改善方法などをご説明します。

ニキビ跡ができる原因は?

ニキビによって”炎症”が”繰り返し”て起こってしまうことがニキビ跡ができる原因となります。

炎症がおこるとニキビ菌と戦うための白血球を毛穴に輸送する必要があるため、白血球を運搬する役割を担う血管が増えます(=赤くなります)。

ニキビ菌と白血球の戦いの場となった毛穴では戦いに巻き込まれた組織が破壊されます。

そのためコラーゲンが破壊されて減少して凹みとなってしまったり(クレーター・萎縮性瘢痕)、逆に破壊された組織を修復しようとして過剰にコラーゲンが産生されて硬くケロイドのようなコラーゲンの塊(肥厚性瘢痕)となってしまったりします。

また、炎症がおこることで日焼けと同じ原理でメラニン色素の産生が増え、日焼けを繰り返すとだんだん色濃くなっていくように、炎症を繰り返すニキビもだんだんと茶色く跡がのこるようになってしまってしまいます(色素沈着)。

ニキビ跡のタイプ

ニキビ跡は肌の状態によって、主に4つのタイプに分けられます。

赤み

赤みは血管の色で、皮膚の下にある血管が透けて見えることが赤いニキビ跡の原因となります。

ニキビでは毛穴に炎症がおきますが、炎症の程度が強かったり、炎症が繰り返し続いた場合には毛細血管が増えてしまいます。

そのために皮膚の下にある血管が赤く見えるようになります。

ニキビの炎症が強く毛細血管が傷ついている場合は、毛細血管から赤血球が血管の外に漏れ出て出血した赤紫色のニキビ跡になることもあります。

 

クレーター(萎縮性瘢痕)

ニキビによって引き起こされた炎症によって皮膚の組織が壊されてコラーゲンが減ってしまったり、度重なる炎症によって皮膚の下の組織に皮膚が引っ張られてしまった場合、皮膚の表面がクレーターのようにボコボコ凹んでしまう状態になることがあります。

皮膚の表皮・真皮・皮下組織のうち、皮膚の真皮層まで破壊され、回復しない場合にクレーターのようになっていくと考えられます。

一度破壊されて凹んでしまった皮膚組織は、自然に完全に元に戻ることは難しいです。

 

肥厚性瘢痕(ケロイド)

ニキビの炎症が長く続くことで破壊された組織を修復しようと過剰に皮膚のコラーゲンがたくさん作られるようになった結果、コリコリを硬く触れる出来物のような肥厚性瘢痕になってしますことがあります。

特にフェイスラインから顎周りにかけて深いニキビが出来やすい場所によく起こります。

 

色素沈着

ニキビによる炎症によっておこる色素沈着によってニキビ跡が茶色く見えることがあります。

日焼けをして赤くなった後に茶色く日焼けするのと同じ原理です。

シミのもとになるメラニン色素を作る細胞であるメラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に生成されることでニキビの跡が茶色くなり、色素沈着となります。

健康な肌ではターンオーバーが一定のリズムで行われますが、ニキビのある肌はターンオーバーが乱れ、メラニンがそのまま残り、色素沈着を起こしやすいと考えられます。

 

日常生活における対策

日常生活でニキビ跡を解消するためできにくくする(=ニキビをできにくくする)方法として、以下のようなものが考えられます。

スキンケア

洗顔や保湿など毎日のスキンケアの中で、化粧水による保湿は特に丁寧に行うとよいといわれています。

たとえば適量の半分を手にのせて体温で温め、顔全体に化粧水を浸透させた後、目元や口元などの乾燥しやすい部分を中心に重ね塗りする方法などが考えられます。

その他、日焼けを防ぐために日焼け止めや帽子を活用するなど、紫外線対策をしっかり行いましょう。

 

食事、運動、睡眠

食事は、体の内側から肌質を整えることにつながります。

皮脂分泌をコントロールするとされるビタミンB2やビタミンB6、肌のバリア機能の低下を予防するビタミンC、血流をよくして肌荒れの解消をサポートするビタミンEなどが挙げられます。

また運動は心身の健康を保ち、ターンオーバーが活発になるとされ、運動による発汗は肌の水分量が増加して角質をやわらかくする、皮脂や老廃物の排出を助けることなどが考えられます。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌を健やかに保つことが知られています。栄養バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。

 

ニキビ跡の改善

クリニックでニキビ跡を改善するための治療法として、以下の種類があります。

まずはニキビ跡の原因となるニキビの治療をしっかりしてニキビ跡を新しくつくらないようにした上で、ニキビ跡の種類によって治療を行います。

赤み

毛細血管が増えている状態ですので、赤みを改善するためには血管を減らす必要があります。

まずはしっかりニキビを治して血管が増える原因となる炎症を起こさないことが重要です。

炎症が起きていない状態を維持することで赤みは改善していくことが期待できます。

さらに追加としてできる治療として、血管を積極的に破壊して赤みを抑える治療があります。

いちご状血管腫、単純性血管腫や毛細血管拡張症の治療として使用される色素レーザー(Vビーム)は血管を破壊して赤みを改善する効果があるレーザー治療で、ニキビ跡の赤みにも有効です。

 

クレーター(萎縮性瘢痕)

皮膚のコラーゲンが減少してしまった結果として皮膚が凹んでしまった状態ですので、コラーゲンの量を増やしてあげることが重要です。

また、クレーターの境界部分がくっきりしていると凹みが目立つので、境界をぼかしてあげることも有効です。

代表的な治療としてフラクショナルレーザーやダーマペンが一般的によく知られていると思います。

どちらの治療も皮膚一面に微細な穴を開けることで皮膚の再生を促し、再生過程でコラーゲンを増えることを利用して凹みを改善する効果が期待できます。

また、微細に多数の穴を開けることでクレーターの境界部分をぼかす効果も期待できます。

ダーマペンは、髪の毛よりも細い針を皮膚に刺し、一時的に非常に小さな穴を開けることにより、肌の自然治癒力を高める治療法です。

皮膚に傷ができると、皮膚内にある線維芽細胞が活発になることでコラーゲンやエラスチンなどが増加し、皮膚の弾性やハリが高まると考えられています。

ダーマペンではただ単に穴を開けるだけでなく、施術時に成長因子などを含んだ薬液を塗布して、穴を再生する時の自然治癒力にに頼るだけではなく成長因子の作用も利用して効果的に組織を再生していきます。

コラーゲンの産生が促されることで毛穴を支える部分の皮膚のコラーゲン産生が促進され毛穴の開きを改善する効果も期待できます。

また、逆円錐状の深いアイスピック型のニキビ跡、境界のくっきりした浅いボックスカータイプのニキビ跡には、高濃度のトリクロロ酢酸という薬剤をつかってピンポイントで強力にピーリングして凹んだ部分のコラーゲンを増やしたり、境界をなじませることでニキビ跡を改善していくTCAクロスという方法もあります。

 

肥厚性瘢痕(ケロイド)

皮膚の局所でコラーゲンが増え過ぎて塊を作っている状態ですので、コラーゲンを減らして塊をほぐしてあげる必要があります。

肥厚性瘢痕の治療にはステロイドの塗り薬、貼り薬などが使われますが、硬いところに直接ステロイドを注射する方法が効果が高いです。

 

色素沈着

炎症によってメラニン色素の産生が増えてしまったり、皮膚のターンオーバーが滞ってメラニン色素が上手に排出されないことで皮膚にメラニン色素が溜まってしまった状態です。

メラニン色素が多く作られた上に排出が滞ってしまっているので結果として皮膚にメラニン色素が溜まってしまっています。

ですので、メラニン産生の新たな産生を減らしたり、皮膚のターンオーバーを促進して溜まっているメラニン色素の排出を促してあげることが色素沈着の改善につながります。

ビタミンCの内服薬は、メラニン色素の産生を減らす効果があります。

また、塗り薬でハイドロキノンは皮膚の色素細胞からのメラニン産生を減らしたり、レチノイン酸の塗り薬は皮膚のターンオーバーを促進してメラニン色素の排出を促す効果が期待できます。

ニキビに限らず、日焼けや湿疹などの炎症によって起こってしまった色素沈着(炎症後色素沈着)にはメラニンの産生を減らしつつメラニンの排出を促す治療が効果的です。

 

ニキビ治療した上で、ニキビ跡は種類によって適切に治療を

ニキビ跡を改善するためには、まずはニキビ跡の原因となるニキビをしっかり治療することが必要です。

その上で、残ってしまったニキビ跡には種類によって適切な治療方法があります。

当院ではニキビの治療、ニキビ跡の治療をしているので、まずはお気軽にご相談ください。

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)