「たるみが気になるけれど、治療で頬がこけてしまうのは避けたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
今、注目されているボルニューマーはたるみを改善するだけでなく、頬がこけにくいと言われています。
この記事では、ボルニューマーの特徴や効果、ダウンタイムなどについて、紹介いたします。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
2007年に東京大学を卒業後、東京大学医学部附属病院を中心に総合病院やクリニックで一般皮膚科、小児皮膚科、皮膚外科手術、アレルギー、美容皮膚科領域の診療を行ってきました。その経験・知識を活かし、幅広い医療機器を備えて、様々な皮膚のトラブルの助けになれるよう取り組んで参ります。
ボルニューマーは頬がこける?
たるみ治療後に頬がこけてしまうのは、主に治療による皮下脂肪の減少や、皮膚組織での収縮が起こるからです。
ハイフは、肌の深い層に超音波エネルギーをピンポイントで集中させ、熱凝固点を作ることで引き上げる治療方法です。元々の頬の脂肪が少ない方や出力設定、照射の仕方によっては局所の脂肪細胞が少なくなってしまったり、組織が強く収縮したりして頬がこけたように見えてしまう場合があります。
ボルニューマーは、ハイフのように特定の深層にピンポイントで強い熱を与える施術ではありません。モノポーラ方式の高周波(RF)エネルギーを皮膚深層(真皮〜脂肪層上部)に広範囲かつ均一に届け、全体的な熱作用で引き締めを図る治療法です。
そのため、局所的に脂肪が急に減少するというリスクは少ないと考えられています。ボルニューマーの主な目的は皮膚そのものの引き締めであり、脂肪層への作用はハイフよりマイルドであるため、「頬がこける」リスクは起こりにくい特徴があります。
ボルニューマーの特徴と効果
ここでは、ボルニューマーの特徴と効果について、解説します。
ボルニューマーの特徴
ボルニューマーは、モノポーラ方式の高周波(RF)エネルギーを利用し、皮膚表面を傷つけることなく真皮層から皮下脂肪層上部にかけて均一に熱エネルギーを届けます。6.78MHzという医療用の周波数と大きな照射面積により、広範囲を効率よく治療可能です。
熱が真皮層に到達するとコラーゲン線維が熱で即時に収縮し、引き締め効果をもたらします。
ボルニューマーの熱刺激は、治療後数か月かけて新しいコラーゲンやエラスチンの生成を長期的に促進する効果もあります。
また、高度な冷却機能と振動機能もあるので、治療時の不快感を軽減するのも可能です。
ボルニューマーの効果
- 顔や首のたるみ改善、リフトアップ効果
- 肌のハリ・弾力アップ
- 小じわ、毛穴の開きの改善
- フェイスラインの引き締め、二重あごの改善
- 肌質の向上(なめらかさ、ツヤ)
肌内部からコラーゲン生成を促し、自然なリフトアップ効果をもたらします。緩んだフェイスラインが引き締まりシャープな印象になります。
ボルニューマーがおすすめな方
以下の方におすすめです。
- 頬がこけるのが心配で、ハイフなどの治療に不安がある方
- ハイフで頬がこけてしまった経験のある方でたるみ治療を受けたい方
- 顔全体のたるみ、ゆるみが気になり始めた方
- 頬、フェイスライン、ほうれい線、マリオネットラインのたるみが気になる方
- 肌のハリ不足、弾力低下を感じている方
- 小じわや毛穴の開きを改善したい方
- ダウンタイムが少なく、周囲に気づかれにくい治療を受けたい方
- 手術(フェイスリフト)や糸リフトには抵抗がある方
- 肌のメンテナンスとして定期的にケアしたい方
治療の経過とダウンタイム
ここでは、治療の経過とダウンタイムについて、解説します。
治療の経過
ボルニューマーで治療すると、個人差はありますが以下のような経過をたどります。
施術直後
ボルニューマーの熱によりコラーゲン線維が縮むために、肌にキュッとした引き締まり感や、リフトアップ感をすぐに感じられることがあります。
これが施術直後の即時効果です。
施術後1か月後
治療から約1か月が経過すると、熱刺激によって活性化された肌細胞が新しいコラーゲンの生成を本格的に始めます。
これにより、肌のハリや弾力、引き締め効果が徐々に現れ始めます。
施術後2~3か月頃
肌内部でコラーゲンリモデリングが進み、治療効果が最も感じられます。肌のハリや弾力が上がり、たるみが改善されます。
効果の持続期間は、一般的に3か月から半年程度とされることが多いです。
ダウンタイムの症状の経過
ボルニューマーは冷却機能がしっかりしているため、熱傷のリスクが低く、ダウンタイムが短い傾向にあるか、ほとんどないことが多くなっています。
そのため、日常生活への支障が少ない治療法です。
施術直後
施術直後にあらわれる反応は以下のようなものです。
- 赤み
- ほてり感
- 軽い腫れなど
通常は数時間~当日中にはかなり落ち着きます。直後からメイクは可能な場合が多くなっています。
施術後数日間
以下の反応がある場合があります。
- 軽い腫れ
- むくみ
- 押すと少し痛む(圧痛)感じが残るなど
通常はこれらの症状も軽度で、2~3日から1週間程度で自然に消失します。
ごくまれに
非常にまれな場合ですが、治療の刺激で点状内出血が出現することがあります。
しかし、これは通常、施術後1~2週間程度で自然に吸収されて目立たなくなり、消失していきます。
必要な施術回数
ボルニューマーは、多くの方が1回の施術でも引き締め効果や肌の変化を実感しやすい治療です。
しかし、効果を維持したりより高い引き締め効果やたるみの改善を目指したりする場合は、3か月から半年に1回程度のペースで施術を継続するのを推奨しています。
最適な施術回数や間隔は、たるみの程度や肌質、年齢などによって異なります。
医師が肌の状態を診察し、最適な回数や間隔を提案いたしますので、カウンセリングでご自身の希望をお伝えください。
当院の治療の特徴
皮膚科専門医が診察し、一人ひとりの肌状況や体質を見極め、ご希望もお伺いした上で最適な施術を提案いたします。
不安な点などは遠慮なく診察時に申し出てください。
費用
ボルニューマーは公的医療保険の対象外なので、全額自費になります。
全顔300ショットで66,000円(税込)です。
よくある質問
Q. ボルニューマーで火傷することはありますか?
ボルニューマーは高周波(RF)の熱エネルギーを皮膚に照射する治療のため、火傷のリスクが全くないとは言えません。
しかし、ボルニューマーは安全を最優先に設計された機器です。リアルタイムで温度を監視するセンサー、強力な水冷式冷却システム、痛みを軽減する振動機能などのさまざまな安全機能が備わっています。
そのため、火傷のリスクを最小限に抑えながら、安全な治療が受けられるよう工夫されています。
Q. ボルニューマーの禁忌は?
ボルニューマーをおこなえない方は以下のとおりです。
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
- ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)など、体に電子機器が埋め込まれている方
- 治療を受けたい部位に、金属製のプレートやボルト、シリコン、金の糸などが入っている方
たるみ治療のボルニューマーに関するご相談、治療なら川崎たにぐち皮膚科へ
皮膚の引き締めが主な作用のボルニューマーは、脂肪層への作用がハイフよりマイルドなので、脂肪減少効果は比較的穏やかで頬がこけるリスクが少ない施術です。
効果を維持したい場合には、定期的な施術をおすすめします。
たるみ治療のボルニューマーについてご検討中の方は、お気軽に当院までご相談ください。
副作用・リスク
一般的な副作用・リスク
- 赤み、腫れ、ほてり感、痛み、圧痛、むくみ感
まれな副作用・リスク
- やけど(熱傷)、色素沈着・色素脱失、一時的なしびれ感(神経への影響)、脂肪萎縮(頬のこけ)、左右差、感染
参考文献
Pub med|Multicenter study of noninvasive radiofrequency for periorbital tissue tightening
<ボルニューマーについて>
・未承認医薬品等
ボルニューマーは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
・入手経路等
INFIX社経由にて入手しています。
・国内の承認医薬品等の有無
同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品医療機器等はありません。
・諸外国における安全性等に関する情報
韓国食品医薬品安全省(MFDS)の承認を受けています。
・医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。