ほくろのでき方には個人差があるため、すでにあるほくろが大きくなった方や、それまでなかった部分にほくろが急にできた方もいるのではないでしょうか。

ほくろは生まれつきできている人もいれば、年を重ねるにつれてできることもあります。

ここでは顔や腕などに急にできたほくろについて、ほくろが増える原因と消す方法などを紹介します。

 

ほくろが増える原因

ほくろは「母斑細胞母斑」や「色素性母斑」と呼ばれる良性のできものです。

ここではほくろが増える原因と特徴などを紹介します。

 

ほくろができる原因とは?

母斑細胞と呼ばれる細胞が集まることでほくろが作られます。

ほくろができる主な原因は遺伝や体質です。その他にも、肌が薄い人の場合は紫外線の影響が大きいとも言われています。

また妊娠や出産など女性ホルモンのバランスが乱れることでほくろの色が変化することもあります。

さらに年齢を重ねるにつれて形が盛り上がり、見た目が目立つようになるかもしれません。

 

ほくろが多い人の特徴は?

ほくろは顔だけでなくお腹や腕など体の全身にできるできものです。

「両親の体にほくろが多い方」は遺伝の影響によりほくろが作られやすい体質だといえます。

また「外出が好きで活動的な方」や「肌を露出した服装が好きな方」は、紫外線を浴びる頻度が多くなることでほくろがあらわれやすくなると考えられています。

 

急にできたほくろは病気?

「以前はなかったところにほくろができた」、「知らない間にほくろが盛り上がってきた」ときには、なんらかの悪い病気ではないかと不安になることでしょう。

しかしほとんどのほくろは良性のため心配はいりません。

 

ただし「痛みや出血がある」、「生活上の悩みがある」、「生まれつきのほくろが大きくなる」、「大量のほくろが全身にできた」ときには、ほくろの治療を受けるべきタイミングかもしれません。

当院では病理検査や拡大鏡の検査によって皮膚がんを早期発見できるよう努めています。

悪性のできものが心配な方は「ほくろに似た皮膚がん」でさらに詳しい見分け方を紹介しているので参考にしてください。

 

ほくろを増やさない予防方法

ほくろを増やしたくないときには、紫外線予防を心がけましょう。

紫外線と聞くと夏の暑い日を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

天気や季節によって紫外線の量は変化しますが、実のところ紫外線は一年中地上に降り注いでいます。

またスキーや海水浴などのレジャーでは、砂や雪に紫外線が反射して紫外線を浴びやすくなります。

日焼け止めや帽子、長袖を着用するなど紫外線対策をするとよいでしょう。

 

ほくろを消す方法

ほくろはイボのようなできもののため、自然に消える方法はありません。

ほくろを消すためには専門的な治療が必要です。

当院では「ラジオ波メス」、「くり抜き法」、「メスによる切除」によってほくろの治療をしています。ここではそれぞれの治療方法について紹介します。

 

ラジオ波メス

サージトロンという医療機器を使う施術です。

局所麻酔後に、ラジオ波を照射できるメスによりほくろを削り取ります。

切除と止血を同時にできるため傷跡が残りにくく、顔にできた3~4mm以下のほくろに向いた方法です。

 

ただし体にできたほくろの場合は傷跡が残りやすくなるため他の方法で治療します。

患部を削り取った後は、抗菌薬の塗り薬とテープを貼って患部を保護します。

傷口の状態を確認するため、2週間後に再診が必要です。

 

くり抜き法

トレパンという型抜きを使ってほくろをくり抜く方法です。

1~6mmまでのホクロを除去できます。

 

小さな穴を開ける方法のため、他の方法に比べて傷口が小さくなります。

患部の状態に合わせて、縫合や軟膏処置が必要です。

縫合したときには1週間後の再診で抜糸します。

 

メスによる切除縫合

局所麻酔後、葉っぱの形に皮膚を切ってからほくろを取り除き、傷口を縫合する方法です。

ラジオ波メスでは対応しきれないような体にできたほくろや、くり抜き法では取れないような大きなサイズのほくろに向いた施術です。

 

当院では一人ひとりの症状やお悩みに合わせた治療方法を提案しています。

さらに詳しい治療内容については、「ほくろ除去手術のページ」をご覧ください。

 

注意事項、副作用等

ここでは治療に関する代表的な注意事項や副作用を紹介します。

ダウンタイムやアフターケアについては「ほくろ除去のダウンタイムと治療方法とは?」も参考にしてください。

 

<ラジオ波メス>

  • 保護テープの上からであれば、施術当日からメイクや洗顔が可能です。
  • 傷口がふさがるまで、塗り薬と保護テープを継続してください。
  • 施術してから2週間後、再診により患部の状態を確認します。
  • 施術してから2週間以上経つと、桃色へと肌が変化します。これは傷が治っていくための正常な反応なので心配はいりません。
  • 桃色の肌状態は日焼けしやすいため、患部に日焼け止めを塗ってください。
  • 施術後は3~6か月の時間をかけて、本来の肌の色へと戻っていきます。

 

<くり抜き法、メスによる切除縫合>

  • 抜糸前まではメイクや洗顔は患部を避けておこないましょう。抜糸後の状態に問題がなければ通常のメイクができます。
  • 縫合した場合、施術してから1週間後には、抜糸のために来院が必要です。
  • 施術後は皮膚に赤みや硬さが出ることもあります。
  • 施術後は3~6か月の時間をかけて、本来の肌の色へと戻っていきます。

 

料金

 

<ラジオ波メス>

ラジオ波メスの施術は、基本的には公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

自由診療の場合、患部の大きさによって料金が異なります。

 

3mmまで10,780円(税込)
6mmまで16,280円(税込)
10mmまで21,780円(税込)

(※10mm以上は5mmごとに11,000円の追加料金が必要です)

 

複数のほくろを同時に施術するときには、サイズをあわせて料金を計算します。

たとえば、2mmと3mm、4mmのホクロを一度に治療した場合には合計9mmのサイズと考えて、10mmまでの21,780円が料金です。

 

<くりぬき法、メスによる切除縫合>

どちらも保険診療です。3割負担の場合は以下の料金が目安です。

約10,000円~20,000円

 

川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」

ほくろはイボのようなできもののため、自分で取るのは難しい疾患です。

ほくろが急に増えたとき、ほとんどのほくろは良性のため心配はありません。

 

しかしほくろに見えても悪性の皮膚がんの可能性もあるため、気になるほくろを見つけたときには皮膚科を受診して検査を受ける方がよいでしょう。

当院では各種検査や複数の治療方法により、一人ひとりのほくろに合わせた治療法を提案しています。

急に増えたほくろについてお悩みの方はいつでもご相談ください。

 

川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修