「顔のシミが増えてきた」「少し盛り上がっているようなシミが気になる」などのお悩みはありませんか。脂漏性角化症は加齢に伴い増加するシミとされるため、年々増えるシミに悩んでいる方も少なくありません。今回は、脂漏性角化症の症状や特徴、原因や当院の治療法などをご説明します。

脂漏性角化症(老人性イボ)の症状(*1)

脂漏性角化症は、老人性疣贅とも呼ばれ、加齢によって生じる良性腫瘍の一種です。20歳代からみられ、80歳代以降にはほとんどの人に現れます。頭部や顔面、体幹などに平らで小さな盛り上がりがみられ、大きさは直径数mmから1~2cm程度、色は褐色~黒褐色までさまざまです。手のひらや足の裏にはみられません。通常、かゆみや痛みはなく、表面はカサカサして硬く盛り上がっているのが特徴です。最初はシミだったものが、時間が経つにつれて盛り上がり、脂漏性角化症となることがあります。

脂漏性角化症(老人性イボ)の原因(*1)(*2)

皮膚の表皮・真皮・皮下組織のうち、表皮のほとんどを占める角化細胞はさらに角層・顆粒層・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層にわけられます。

脂漏性角化症は、長期間にわたって紫外線を浴び続けることで、表皮の基底細胞と有棘細胞が異常増殖することによって引き起こされるとされています。一般的に平坦なシミを老人性色素斑、盛り上がったシミを脂漏性角化症と呼んでいます。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療方法

当院では、冷凍凝固療法、ラジオ波メスにより治療しています。

冷凍凝固療法

液体窒素凍結療法は、-196℃の液体窒素をイボなどのできものに当て、凍傷を起こして取り除く治療法です。時間の経過とともに異常組織は壊死し、かさぶたになって自然に剥がれ落ちます。尋常性疣贅やスキンタグ、脂漏性角化症の治療に適しています。当院では、基本的にスプレータイプの液体窒素を使用しています。イボの大きさや場所によっては、患者さんに応じて綿棒やピンセットで治療します。

ラジオ波メス

ラジオ波メスは高周波を用いて組織の水分子に高密度のエネルギーを集中させ、イボやほくろを削り取ります。止血作用があるため、出血が少なく、ダウンタイムが短いことが特徴です。脂漏性角化症のように盛り上がりのあるシミの部分を削り取ります。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療のリスク

脂漏性角化症の経過や効果には個人差があります。気になる症状が続く方は、医師へ相談しましょう。

冷凍凝固療法

  • 治療中は痛みがあります。
  • 炎症後色素沈着を起こすことがあります。
  • 再発するリスクがあります。
  • 水疱ができることがありますが、2週間ほどで吸収されます。
  • 治療後に大きな水疱、血豆、痛みが生じることがあります。

ラジオ波メス

  • 局所麻酔をするため、施術中の痛みはほとんどありません。
  • 施術中は、発赤や熱感を生じることがあります。
  • 傷跡は1週間ほどで落ち着きます。
  • ケロイドや色素沈着、凹みなどの傷跡が残ることがあります。

以下に該当する方は、各施術を受けられない可能性があります。必ず事前にご相談ください。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • ケロイド体質の方
  • 自己免疫疾患のある方
  • 金の糸を挿入している方
  • 光過敏症の方
  • 施術部位に外科的治療を受けた方
  • 皮膚炎や湿疹がある部位

料金

イボの冷凍凝固療法

約700円(保険適用)

ラジオ波メス

いぼ、ほくろ除去(自費の場合)
3mmまで 10,780円
6mmまで 16,280円
10mmまで 21,780円
10mm以上 5mmごとに11,000円追加

治療が複数の場合は、大きさの合算で料金計算します。

イボ・ほくろの種類によっては、保険適応となる場合があります。その場合の費用は、一般保険診療のできものの手術となります。

脂漏性角化症を取り除きたい方は、川崎たにぐち皮膚科へ

脂漏性角化症は紫外線により、肌が老化して生じるとされています。全身のどこにでも生じますが、顔面や頭部にできやすい傾向があり、目立つところにでき始めると気になってしまうかもしれません。基本的に脂漏性角化症は治療の必要はありませんが、見た目の問題から取りたいと考える人もいるでしょう。脂漏性角化症が気になっている方は、当院へお気軽にご相談ください。

川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修

【参考】

(*1)清水 宏.「あたらしい皮膚科学第3版」.中山書店.2018

(*2)川田暁.『美容皮膚科ガイドブック第2版』中外医学社.2019