思春期だけではなく、大人になってからも悩まされる代表的な肌トラブルといえば「ニキビ」です。

とくにニキビが落ち着いたと思っても、肌の赤みが残ってしまう「ニキビ跡の赤み」で悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。

当院ではニキビ跡の赤みにVビームと呼ばれる医療機器を使用して治療をしています。

一般的には血管の異常で起こった赤アザ・肌の赤みに使われていますが、ニキビ跡の赤みにも効果が期待できる施術です。

 

ここでは、「ニキビ跡の赤みの原因や治療方法」、「Vビームがニキビ跡の赤みに効果が期待できる理由」、「当院で受けられるVビーム以外のニキビ跡の赤み治療」についてなどを紹介します。

Vビームで治療ができるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

 

ニキビ跡の赤みとは

ニキビ跡の赤みは、医学的には「炎症後紅斑」と呼ばれます。

「炎症」は、体にとって敵となる細菌やウイルスなどの異物を免疫細胞が攻撃して排除しようと働くことで起こります。

異物を排除するためには、免疫細胞をすぐに異物がある場所まで運ばなければなりません。

そのため、免疫細胞の通り道である血管を広げたり、新しい血管を作ったりして血流を増やします。

このように炎症が起こっている部分の血流が増えて皮膚が赤く見えることを「紅斑」と呼びます。

 

一般的な湿疹やかぶれなどは、炎症が改善すると同時に血流が元に戻るため、皮膚の赤みは消えることがほとんどです。

しかし繰り返しニキビの症状が起こるときや、ニキビの症状が悪化したときには、炎症がなくなっても血管が元に戻らなくなることがあり、ニキビ跡の赤みが残ってしまうのです。

 

ニキビ跡の赤みの原因

ニキビの種類は「非炎症性のニキビ」「炎症性のニキビ」に大きく分類できます。

ここではそれぞれについて、ニキビの特徴や種類を紹介します。

 

<非炎症性のニキビ>

非炎症性のニキビは、放置することで炎症性のニキビへと症状が進行してしまう可能性のあるニキビです。

代表的な種類は、白ニキビと黒ニキビです。

 

白ニキビ

代表的なニキビの初期症状で、肌の表面がポツポツして白くなっている状態です。

皮脂や角質が毛穴に詰まった状態のニキビです。

 

黒ニキビ

白ニキビよりも、さらに皮脂や角質などの汚れがたまった状態です。

汚れがたまり過ぎて毛穴が開いてしまい、空気によって酸化された皮脂が黒く見えています。

 

<炎症性のニキビ>

ニキビ跡の赤みが残る原因としては、「炎症性のニキビ」が関係していると考えられています。

代表的な種類は、赤ニキビや黄ニキビです。

 

赤ニキビ

たまった皮脂を栄養として、アクネ菌が増殖している状態です。

増殖したアクネ菌に対抗するために炎症反応が起こり、血流が増加してニキビが赤く見えています。

 

黄ニキビ

赤ニキビよりも炎症が激しくなり、膿がたまって黄色に見えている状態です。

炎症が周囲の組織に広がると重症のニキビとなり、ニキビ跡が残りやすくなります。

このようにニキビにはさまざまな種類があります。

とくに炎症性のニキビができたときには、肌に赤みが残りやすくなるため注意しましょう。

 

ニキビ跡の赤みの治療

ニキビ跡の赤みの治療では、まずはニキビそのものを治療して、炎症が起こりにくい状態を目指すことが大切です。

ニキビそのものを治療することで、炎症のために作られた血管が元に戻ると、赤みが改善しやすくなるのです。

しかし繰り返しニキビができる方や、赤ニキビ・黄ニキビの症状がある方は、ニキビが治ってもニキビ跡の赤みが残ってしまうこともあります。

 

ニキビ跡の赤みを積極的に治療したいときには、原因となっている血管にアプローチすることが大切です。

当院ではレーザー治療や光治療などの施術に対応しています。

気になるニキビ跡の赤みがある方は、早めに当院までご相談ください。

 

Vビームのニキビ跡の赤みに対する効果

当院のニキビ跡の赤み治療では、主に「Vビーム2」という血管病変に使われるレーザー機器を使用しています。

米国のシネロン・キャンデラ社の製品であり、厚生労働省が認可した医療機器です。

ここではVビームの仕組みやニキビ跡の赤みにアプローチする働きなどを紹介します。

 

ニキビ跡の赤みに効くVビームの原理と仕組み

Vビーム2で照射される波長595nmのレーザーは、血液中にある赤血球に含まれているヘモグロビンという赤い色をターゲットとしています。

ヘモグロビンでレーザー光が吸収された後には、患部ですぐに熱エネルギーに変化されて周囲に拡散するため、ニキビ跡の赤みの原因となっている毛細血管が破壊されるのです。

このとき、正常な毛細血管には影響を与えません。

 

ニキビ跡の赤みに対する効果

赤い色に反応するVビーム2の施術は、「拡張した血管を破壊して赤みを軽減する」働きや、「ニキビ菌に対する殺菌効果(ニキビ自体の改善効果)」によってニキビ跡の赤みに効果が期待できます。

Vビーム2はさらに「ニキビによって作られた傷の修復反応の促進」「瘢痕の改善効果」なども期待できる施術です。

ニキビ跡の赤みにアプローチしながらも、ニキビの治りを速くして、ニキビ跡が作られにくい肌状態を目指します。

 

※Vビーム2の治療は、単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症という疾患については保険適用です。しかしニキビ跡の赤みに対して治療をする場合は、公的医療保険が適用されないため、保険適用外の自由診療(自費)です。

 

他の治療によるニキビ跡の赤み治療との違い

当院では「Vビーム2」以外にも、光治療(フォトフェイシャルステラM22)」、「光治療(フォトシルクプラス)」や「ポテンツァで治療をしています。

ここではそれぞれの治療方法とVビーム2との違いを紹介します。

治療方法波長ニキビ跡の赤みに対する効果
Vビーム2595nm拡張した血管を破壊して赤みを軽減、ニキビ菌の殺菌効果、傷の修復促進、瘢痕の改善
フォトフェイシャルステラM22400~1200nm広域の波長でフィルターを選択できるため、患部に届く光の波長を調整でき、ヘモグロビンやメラニンに作用することで赤みや色素沈着を改善。
フォトシルクプラス500~950nm特定の波長を照射するVビームとは違い、500~950nmという広域の波長がメラニンやヘモグロビンに作用することで赤みや色素沈着を改善
ポテンツァN/AマイクロニードルRF(高周波)で真皮層に熱刺激を与え、コラーゲン生成を促進することで赤み、クレーターにも対応

 

光治療(フォトフェイシャルステラM22)

フォトフェイシャルステラM22は、400~1200nmの幅広い波長の光を照射できる光治療機器です。

595nmという特定の波長を照射するVビームとは違い、400~1200nmという広域の波長を使用できるのが特徴です。

さらに肌状態や肌悩みに合わせてフィルターを選択できるため、患部に届く光の波長を調整できます。

ニキビ跡の赤み以外にも、シミやそばかす、肌のハリ、肌のくすみなどの複合的なお悩みにアプローチします。

 

光治療(フォトシルクプラス)

フォトシルクプラスは、500~950nmの幅広い波長の光を照射できる光治療機器です。

595nmという特定の波長を照射するVビームとは違い、500~950nmという広域の波長を使った施術です。

ニキビ跡の赤み以外にも、シミやそばかす、肌のハリ、肌のくすみなどの複合的なお悩みにアプローチします。

フォトシルクプラスは、他の光治療よりも黒色メラニン色素に反応しやすいため、他の光治療では取り除けなかったシミにも効果が期待できます。

 

ポテンツァ

Vビームのようにレーザーを照射する施術ではなく、ポテンツァでは肌の表面に細い針で穴を開けてから、針先から高周波を照射します。

「マイクロニードルによる創傷治癒反応の促進」や、「熱エネルギーによる血管新生の抑制作用」などの働きが期待できる施術です。

ポテンツァ独自のポンピング機能により、症状に合わせた各種薬剤を均一に真皮層へと注入できます。

ニキビ跡の赤みやクレーター、毛穴の開き、小ジワなどの肌悩みに働きかける施術です。

 

ダウンタイムについて

ここではVビームのダウンタイム中に起こりやすい代表的な症状を紹介します。

 

赤み

施術の影響で、肌に赤みが見られるかもしれません。通常は3日ほどでおさまりますが、症状が長いときには2週間ほど続くこともあります。

 

痛み

施術の影響で、肌にヒリヒリとした痛みを感じるかもしれません。

痛みが長く続くときには、保冷剤などで患部を冷やすと痛みが和らぎやすくなります。

(※痛みの感じ方には個人差があります。)

 

むくみ、腫れ

施術後にむくみや腫れが起こるかもしれません。

通常の場合は、2~5日ほどでおさまります。

 

カサブタ

カサブタができたときには、無理にはがさないでください。通常は、1~2週間ほどで自然にはがれ落ちます。

 

内出血

施術後に内出血を起こすことがあります。通常は1~2週間程度でおさまります。

血液をサラサラにする薬を服用中の方は、強い内出血を起こしやすくなるため注意してください。

 

色素沈着、色素脱失

レーザーの照射による熱で肌に軽いやけどを起こした状態となるため、炎症後色素沈着や色素脱失が起こることもあります。

通常は、数か月ほどでおさまります。

 

Vビームの治療期間と回数

ニキビ跡の赤みにVビームで施術をするときの治療期間の目安は、1か月に1回の頻度で施術をした場合は3か月(3回)程度です。

(※症状や患部の状態によって治療期間には個人差があります。)

 

Vビーム治療の注意点

Vビーム治療について、事前に知っておくべき代表的な注意点を紹介します。

 

治療前後の注意点

治療期間中は肌が非常に敏感になっているため、日焼け止めクリームを小まめに塗りなおすなど丁寧な紫外線対策をしてください。

洗顔やメイク、シャワーは翌日から可能です。

 

治療が適さない人

「妊娠中、妊娠の予定がある方」、「日焼けをしている方、日焼けをする予定のある方」、「皮膚に強い炎症や湿疹がおきている方」はVビームの施術が受けられません。

 

川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」

ニキビの種類は、「非炎症性のニキビ」と「炎症性のニキビ」に分類できます。

とくに赤ニキビや黄ニキビといった「炎症性のニキビ」ができたときには、ニキビの症状がおさまっても拡張した血管が残りやすくなり、ニキビ跡の赤みに悩まされてしまうかもしれません。

 

当院では、主にVビームや光治療、ポテンツァでニキビ跡の赤みに対応しています。

とくにVビームはニキビの炎症によって拡張した血管をターゲットとして破壊できるため、ニキビ跡の赤みに効果が期待できる施術です。

ニキビ跡の赤みでお悩みの方は、Vビーム2などの施術が受けられる当院まで、お気軽にご相談ください。

 

【川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修】

 

Vビーム治療の費用

 

<保険診療の場合>

 

「Vビーム」

約6,500円~32,000円(照射面積で変わります)

 

<自由診療の場合>

下記の施術は公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

初診料1,100円(税込)
再診料330円(税込)

 

「Vビーム」

全顔レーザーフェイシャル32,780円(税込)
目元のハリ10,780円(税込)
両頬の赤み赤ら顔、ニキビの赤み21,780円(税込)
鼻の赤み10,780円(税込)
鼻と顎の赤み16,280円(税込)
傷跡の赤み1か所 10,780円(税込)

 

「フォトフェイシャルステラM22」

顔全体1回 27,500円(税込)

※成長因子入りマスクパック(2,200円)を併用すると、美肌効果を実感しやすくなります。

 

「フォトシルクプラス」

顔全体1回 27,500円(税込)

※成長因子入りマスクパック(2,200円)を併用すると、美肌効果を実感しやすくなります。

 

「ポテンツァ」

 

赤ら顔・毛穴の開き治療
全顔1回 66,000円(税込)
両頬+鼻or両頬+こめかみ1回 44,000円(税込)

 

ニキビ跡治療・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:サイトプロMD)
全顔1回 88,000円(税込)
両頬+鼻or両頬+こめかみ1回 69,300円(税込)

 

ニキビ跡治療・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:ジュベルック)
全顔1回 77,000円(税込)

 

副作用・リスク

 

禁忌

 

「Vビーム」

  • 妊娠中、妊娠の予定がある方
  • 日焼けをしている方、日焼けをする予定のある方
  • 皮膚に強い炎症や湿疹がおきている方

 

「フォトフェイシャルステラM22」

  • 妊娠中、授乳中の方
  • ケロイド体質、光アレルギー、ヘルペスをお持ちの方
  • 日焼けをしている方、日焼けをする予定のある方

 

「フォトシルクプラス」

  • 妊娠中、授乳中の方
  • ケロイド体質の方
  • 光アレルギーの方
  • ヘルペスの症状がある方
  • 日焼けをしている方、日焼けをする予定のある方

 

「ポテンツァ」

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 心臓ペースメーカーなど埋め込み型医療機器を体内に埋め込んでいる方
  • 歯にブリッジ、インプラントが入っている方
  • 治療部位に金属糸、金属プレートなどを入れている方
  • 局所麻酔薬、抗生物質、その他の薬に対するアレルギーがある方
  • 血液サラサラの薬(抗血小板薬、抗凝固薬など)を飲まれている方
  • てんかん、糖尿病、糖尿病合併症、皮膚悪性腫瘍、自己免疫疾患を患っている方
  • 皮膚炎、単純ヘルペスが出ている方
  • 金属アレルギー、ケロイド体質の方

 

副作用

 

「Vビーム」

赤み、むくみ、腫れ、内出血、色素沈着など

 

「フォトフェイシャルステラM22」

痛み、皮膚の損傷、火傷、傷跡、色素沈着、むくみ、紅斑、紫斑など

 

「フォトシルクプラス」

痛み、皮膚の損傷、火傷、傷跡、色素沈着、むくみ、紅斑、紫斑など

 

「ポテンツァ」

赤み、腫れ、熱感、カサブタ、内出血、色素沈着など

 

注意事項

 

「Vビーム」

  • メイクは当日から可能です。
  • 治療中は日焼け止めクリームを使用するなどの紫外線予防をしましょう。

 

「フォトフェイシャルステラM22」

  • 個人差はありますが、痛みや熱感が出るかもしれません。
  • 個人差はありますが、肌に赤みが出ることもあります。通常の場合は、数時間から数日で症状はおさまります。
  • 施術の経過により、発赤・水泡・カサブタができた場合は、すぐに当院へご連絡ください。

 

「フォトシルクプラス」

  • 個人差はありますが、痛みや熱感が出るかもしれません。
  • 個人差はありますが、肌に赤みが出ることもあります。通常の場合は、数時間から数日で症状はおさまります。
  • 施術の経過により、発赤・水泡・カサブタができた場合は、すぐに当院へご連絡ください。

 

「ポテンツァ」

  • メイクは翌日から可能です。施術当日は控えてください。
  • 施術当日のシャワーは可能ですが、入浴は翌日から可能です。ただし患部をこすらないように注意してください。
  • 施術後、腫れやほてりなどの症状がおさまるまで、激しい運動は控えてください。
  • 施術直後は、肌に赤みが出るかもしれません。ほとんどの場合、施術翌日には赤みがおさまります。赤みが残ったときでも、時間が経過するにつれて少しずつおさまります。
  • 施術直後は、肌に乾燥が出るかもしれません。乾燥肌が気になる方は、保湿剤を定期的に塗布してください。また皮膚の再生を促すために、マスクパックもご使用ください。
  • まれに針穴の周囲に内出血が生じることもあります。通常は1~2週間で黄色に変化し、その後は少しずつ症状がおさまっていきます。
  • 日焼けをした後のように、ヒリヒリとした熱感が出ることもあります。通常は1週間ほどでおさまります。
  • 施術後は1~3日後に患部にカサブタが出ます。カサブタは自然にはがれ落ちるため、ムリにはがさないでください。通常は1週間ほどでカサブタははがれます。
  • 施術前後1週間はピーリング製品やスクラブ入りの洗顔フォームなどは控えてください。
  • 施術後は一時的にニキビができるかもしれません。
  • 施術後の色素沈着を防ぐため、日常的に日焼け止めクリームや帽子を使用するなどの紫外線対策をしてください。
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「フォトシルクプラスについて」

  • 未承認医薬品等:フォトシルクプラスは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 入手経路等:医師の責任の下、厚生労働省から輸入許可申請を得た上でイタリアのDEKA社より個人輸入しています。
  • 国内の承認機器の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認機器等はありません。
  • 諸外国における安全性等に係る情報:諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。

 

「ポテンツァについて」

  • 未承認医薬品等:ポテンツァは未承認医療機器です。
  • 入手経路等:当院では、Jeisys Medical Inc.より、医師が個人輸入しています。
  • 国内の承認機器の有無:同程度の成分または性能を有する国内承認医療機器等はありません。
  • 諸外国における安全等に係る情報:諸外国においては、次の認証を取得済みです。MFDS(2019.01)