ダーマペンは、ニキビやニキビ跡などの治療でよく知られている治療法のひとつです。

今回は、ダーマペンの特徴や効果、注意点などをご説明します。

 

ダーマペンとは

ダーマペンは極細の針を使用し、一時的に目には見えないほどの小さな穴を皮膚に開けることで、肌が本来もっている自然治癒力を高める治療法です。

皮膚に傷ができると、皮膚内にある線維芽細胞が活発になることでコラーゲンやエラスチンなどが増加し、皮膚の弾性やハリが高まると考えられています。

特にダーマペン4は、0.1mm単位で深さを調節できるため、より効果的な治療が可能とされます。

ダーマペンの仕組み

ダーマペンとはペン型の美容医療機器で、以下のようなスペックを持っています。

  • 針の本数は16本
  • 針の太さは33G
  • 振動スピードは1秒間に約120回

※注射針はゲージ(G)という単位で表されますが、33Gは外径0.2ミリメートル、内径0.07ミリメートルが基準になっています。

16本の針が1秒間に約120回振動しますので、1秒間に1920個の穴を開けることができるのがこのダーマペンの大きな特徴です。

症状や治療目的に合わせて、到達深度を0.1㎜単位で細かく調整することもできます。

 

このダーマペンで施術する際に成長因子が入った薬剤を顔に塗布することによって、真皮層深くに薬剤を浸透させることができます。

詳しくは後述しますが、その薬剤は4種類用意されており、患者さんの肌の状態や希望、悩みに合わせて選ぶことで理想的な肌を目指すことができるのです。

 

ダーマペンで施術する際は、下記のように進めるのが一般的です。

  1. 治療を始める前に治療方法や施術の説明、医師による診察を行います。
  2. 洗顔ブースで洗顔を行っていただきます。
  3. 麻酔クリームを塗り、15分ほど待ちます(ウーバーピールの場合は不要です)。
  4. 薬剤を塗布しながら、ダーマペンの施術を行います。
  5. 成長因子入りのマスクパックを行います。
  6. 施術は完了です。

通常の施術時間は、①から⑥までで1時間程度となります。

 

改善が期待できる肌の悩み

使用する薬液によって、改善が期待できる症状が異なります。

当院では4種類の薬液を使用しています。

 

BENEV(ベネブ)、サイトプロ

BENEV(ベネブ)とサイトプロは、細胞の働きを促進する成長因子などが配合された薬液で、ニキビ跡の凹みやクレーター、毛穴の開き、肌のハリ、肌のシワに効果が期待できます。

どちらの薬液もダウンタイムは赤みが4日程度と長く、肌に開ける穴を深めに設定しています。

薬液の違いとして、BENEVはヒトの線維芽細胞という細胞から成長因子を取り出したもの、サイトプロはヒトの骨髄細胞から成長因子を取り出したもので、後者の方がさまざまな細胞に分化する働きがあり、活力があると考えられています。

BENEVやサイトプロは毛穴の開きやニキビ跡の凹みやクレーターなどに対してしっかりダーマペンで治療したい方におすすめです。

 

ウーバーピール、リジュラン

ウーバーピールはダーマペン専用のピーリング剤で、ピーリング作用をダーマペンで効果的に発揮してニキビ治療、ニキビ跡の色素沈着、くすみ、肝斑、肌のハリ、シワに、リジュランはポリヌクレオチド配合で保湿効果、抗酸化作用を持ち皮膚の表層にアプローチするので肌のハリやシワに効果が期待できます。

どちらの薬液も肌に開ける穴は浅めに設定し、ダウンタイムは短めであることが特徴です。

リジュランはダーマペンをやってみたいけれどもダウンタインが気になる、という方にもおすすめの薬液です。

 

ダーマペンの効果はいつから?

ダーマペンは治療する症状によって、必要な回数が異なります。

また、ダーマペンの効果には個人差がありますが、複数回の施術で症状が改善されると考えられています。

1ヵ月に1回程度の施術を継続的に行っていただくことで効果が実感しやすくなるとされています。

一人ひとりの症状や状態によって想定される施術回数が異なるため、詳細は担当医へご相談ください。

 

クリニックでダーマペン施術を行うメリット

ダーマペンの類似品は通販などで簡単に手に入るため、自宅で動画などを見ながら行う方もいます。

しかしセルフで行う場合は機器本体や麻酔クリームなどをはじめとして自分で揃えるものも多いうえ、肌トラブルが起きたときもすべて自己責任となります。

一方、クリニックでの施術はセルフで行うよりも費用は高くなりますが、ダーマペンによって真皮まで穴を開けて専用の薬液を肌に浸透しやすくすることによって、より効果が期待できると考えられます。

また施術前のカウンセリングからアフターケアまでしっかりと行い、一人ひとりのご希望や肌の状態などに応じた施術が可能です。

 

気になるダーマペンの痛み

極細の針とはいえ、ダーマペンによる治療は肌に穴を開けていきますので、痛みはないのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

そのため、ここの項目ではダーマペンの治療による痛みについて解説していきます。

 

まず施術前には、麻酔クリームを用いて治療中の痛みを軽減させています。

治療後に麻酔が切れた後は、針で無数の穴を開けていますので、個人差はありますが少しヒリヒリする箇所があることもありますが基本的に痛みはそれほどありません。

主に鼻やおでこなどに痛みが多く見られますが、痛みの出やすい箇所は下記を確認してください。

  • 鼻…鼻を触ると鼻骨を感じると思いますが、骨に近いので痛みを感じやすい箇所です。
  • おでこ…麻酔クリームを塗らない頭皮の近くにあるおでこは、頭蓋骨に直接響くこともあって痛みを感じやすい箇所です。
  • 頬…脂肪のつき方によりますが、頬骨の周辺は痛みが感じやすい箇所です。
  • フェイスライン…皮膚が柔らかいため他の部分に比べて痛みが感じやすくなっています。特にエラが張っている方は痛みを感じやすいです。

施術後に痛みが続く場合も、患者さんの状態を確認すると1~2日間程度というのが一般的です。

針の長さや到達深度といった施術方法のほか、痛みに対する感受性には個人差もあります。

施術後に我慢できない痛みが続くようであれば、帰宅後でも相談を受けています。

 

また、美容医療にはダウンタイムがありますが、ダーマペン治療にもあります。

使用する薬剤によって異なりますので、下記を確認してください。

  • サイトプロ…赤みが4~5日間程度続きます。
  • ベネブ…赤みが4~5日間程度続きます。
  • ウーパーピール…当日赤みがある程度です。
  • リジュラン…当日赤みがある程度です。

こちらも個人差がありますが、症状が改善しない、あるいは悪化した場合は、ご連絡をいただくように説明させていただいています。

 

ダーマペンの副作用

前項で紹介した赤みや痛みも副作用の一つですが、それを含めてダーマペンの副作用について解説していきます。

 

代表的なダーマペンの副作用は、赤み、痛み、腫れ、内出血、浮腫、発疹、色素沈着、アレルギー感染などです。

ダウンタイム期間が過ぎても症状が治らない場合は、我慢せずに受診してください。

症状に合わせて適切な処置をさせていただきます。

 

また治療後の行動によっても副作用が起きることがあります。注意点として、下記の点を確認してください。

  • 洗顔…処置をした箇所への強い刺激は避けてください。ただし感染症を防ぐために、肌を衛生的に保つ必要があります。
  • 入浴…治療後6時間後からシャワーが可能です。
  • メイク…治療後はできれば控えてください。低刺激の製品であれば、治療後24時間後から可能です。
  • 日焼け…治療後は日光に当たると色素沈着が起きる可能性があります。日光には当たらないようにしてください。
  • 飲酒…治療当日はお酒は飲まないようにしてください。

これらの注意点を適切に守ることで、ダーマペン治療の良さをより引き出すことができます。

 

施術料金

料金は、使用する薬液により異なります。

顔全体(成長因子入りマスクパック付き)

  • BENEV…27,280円
  • サイトプロMD…32,780円
  • ウーバーピール…21,780円
  • リジュラン…32,780円

マスクパックを行うことにより、治療直後の肌のほてりを鎮めるのと同時に、成長因子などの成分を肌にしっかりと浸透できます。

 

注意点

ダーマペンによる施術を受ける際は、主に次の点に注意しましょう。

  • 治療後は、洗顔やメイクを控えてください。
  • 治療後は、ほてりや赤みがみられることがあります。
  • シミ予防のため、日常生活での紫外線対策を念入りに行ってください。
  • BENEVやサイトプロは、4日ほど赤くなります。
  • ウーバーピールやリジュランの場合、ダウンタイムは短めです。
  • 妊娠中や授乳中の方、金属アレルギーの方は、施術を受けることができません。

また、2~3mm程度の細かい内出血、赤み、皮むけができることがあります。

当院ではBENEVやサイトプロによる施術の場合、金曜または土曜日に施術し、週末がダウンタイムにくるように予定を組む方が多い傾向にあります。ダウンタイムが気になる方は、担当医と日程の相談もしてみるとよいでしょう。

※ダーマペン4は、国内では未承認ですが、日本の厚生労働省にあたる米国のFDAの承認を取得しています。当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。

ダーマペンの効果がみられるのは個人によって異なり、クリニックで継続して施術を受けることで期待した効果が実感しやすくなるといわれています。

またセルフで必要な機器などを揃えて行うことは可能ですが、薬液による効果や肌トラブルなどのリスクを考えた場合はクリニックで施術を行う方がアフターケアまでしっかりサポートがあり、心にゆとりをもって施術に臨むことが可能です。

気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)