いろいろな肌トラブルや皮膚疾患に対して、レーザー治療を行うことがあります。

しかし、鼻や頬に赤みが出る毛細血管拡張症にもレーザー治療が使えるのでしょうか。

ここでは毛細血管拡張症とレーザー治療についてご紹介します。

後半部分では、当院で毛細血管拡張症に使用しているレーザー治療の特徴と効果についてもご説明しています。

最後までぜひご覧ください。

 

レーザー治療とは

特定の波長の光をレーザーとして患部に照射して治療することを「レーザー治療」といいます。

ここでは、主に皮膚科で使用されているレーザー治療に関して、基本的な内容をご紹介します。

 

レーザーの波長とは

レーザーの波長は、波長によって狙いとなるターゲットが異なります。

例えば血管をターゲットにする場合は、595nmという赤血球にあるヘモグロビンに効率よくエネルギーが吸収される波長のレーザーを用います。

メラニン色素をターゲットにする場合は、ターゲットに効率よく吸収されて効果を出す波長のレーザーを用います。

波長は機械によって異なりますが、例えば694nm、755nm、1064nmなどを用います。

 

パルス幅とは

レーザーを照射する時間のことを「パルス幅」と呼びます。

パルス幅が短いほど、レーザーのエネルギーがターゲットのより近くで狭い範囲で働きます。

パルス幅が長くなるとターゲットの周辺までエネルギーが影響を及ぼします。

例えば血管がターゲットの場合、パルス幅が短くすると細い血管に、長くすればするほどより太い血管に効果が出ます。

 

レーザーを照射できる機械の種類

レーザーを照射できる機械には、波長やパルス幅の異なるさまざまな種類があります。

たとえばQスイッチレーザー」「色素レーザー」「炭酸ガスレーザー」などです。

それぞれの機械によって照射できるレーザーが異なるため、目的に合わせて適切なレーザー機器を選ぶことが大切です。

 

当院で使用しているレーザー機器とは

ここでは、当院で使用しているQスイッチレーザーVビームレーザー」というレーザー機器についてご紹介します。

 

Qスイッチレーザー

紫外線を浴びたときに作られる黒色メラニン色素をターゲットとして照射するレーザーです。

当院では「アコレードJ」という機種を使用しています。

黒色メラニン色素が関係して起こるような、シミやアザに対して施術を行います。

太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素斑については保険適用です。

 

Vビームレーザー

血液中にあるヘモグロビンという赤い色をターゲットとして照射するレーザーです。

当院では「VビームⅡ」という機種を使用しています。

血管の異常などが原因で起こるような病気に対して使います。

単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症については保険適用です。

※妊娠の可能性がある方、皮膚に強い炎症・湿疹・日焼けなどの肌トラブルがあるときには、施術が行えないかもしれません。

気になる症状があるときには、医師まで直接ご相談ください。

 

毛細血管拡張症にレーザー治療の効果は?

当院で使用している「VビームⅡ」という機種は、厚生労働省により承認された医療機器です。

ここではVビームⅡを毛細血管拡張症に使用した場合の特徴についてご紹介します。

 

<VビームⅡの毛細血管拡張症に対する特徴>

 

拡張された毛細血管を破壊する

毛細血管内のヘモグロビンをターゲットにしており、レーザーを照射すると患部でエネルギーが吸収されます。

その後、吸収されたエネルギーが患部で熱に変換されて、血管が破壊されます。

拡張してしまった毛細血管を破壊することにより、肌の赤みなどの症状の軽減が期待できるのです。

 

皮膚の真皮にまでレーザーが届く

皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織に分類されます。毛細血管拡張症では、拡張した血管は主に真皮に存在しています。

波長595nmのレーザーが照射されることにより、真皮にある拡張した毛細血管にまでレーザーが届くために効率的な施術がしやすいのです。

 

冷却装置により肌ダメージを軽減する

VビームⅡには、レーザーを使用する直前に冷却ガスを患部に照射する機能が備わっています。

患部を冷却しながらレーザー照射が行えるため、肌ダメージを軽減して安全な施術が行えます。

このような特徴により、VビームⅡは毛細血管拡張症に効果が期待できるのです。

 

まとめ

特定の波長の光をレーザーとして患部に照射することで治療を行うというレーザー治療には、さまざまな種類の機械が使われています。

当院では、「Qスイッチレーザー」「Vビームレーザー」を使用しています。

 

「Qスイッチレーザー」の「アコレードJ」という機種による治療は、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素斑については保険適用です。

また「Vビームレーザー」の「VビームⅡ」という機種による治療は、単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症については保険適用です。

 

当院で毛細血管拡張症の治療に使っている「VビームⅡ」は、厚生労働省により承認された医療機器です。

「拡張された毛細血管を破壊する」「皮膚の真皮にまでレーザーが届く」「冷却装置により肌ダメージを軽減する」という特徴があり、毛細血管拡張症に対するレーザー治療の効果が期待できるのです。

 

毛細血管拡張症のような鼻や頬の赤みでお困りのときには、VビームⅡの施術が受けられる当院までいつでもお気軽にご相談ください。

 

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)

 

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