シミにはいくつかの種類があり、シミの状態によって治療法も異なります。
今回は、シミの治療法全般やレーザー治療などをご説明します。
シミの治療法の概要
シミの治療法には大きく分けて、以下の2通りが考えられます。
メラニン色素が溜まっている部分を破壊する
メラニン色素が蓄積されている部分を破壊することによって、改善に導く方法です。
盛り上がりのない老人性色素斑、そばかすをピンポイントで除去する「Qスイッチレーザー」、盛り上がっているシミである脂漏性角化症を削る「ラジオ波メス」があります。
また細かくて数が多い、目に見えないそばかすや老人性色素斑に有効とされる「光治療(フォト治療)」もあります。
蓄積したメラニン色素にはたらきかける
溜まっているメラニン色素のターンオーバーを促進させたり、メラニン色素の産生を抑制することで改善に導く方法です。
トラネキサム酸、ビタミンC、L-システインの内服や、レチノイン酸、ハイドロキノンの外用などがあります。
シミの種類別の治療法
シミの治療といえばレーザーと考えるかもしれませんが、シミの治療はレーザーだけではありません。
シミの状態に合わせて、適切な治療法を選びましょう。
逆に、レーザー治療によって悪化させてしまうシミもあるので注意が必要です。
額や頬骨、口まわりなどに左右対称に淡い褐色の色素斑が現れるとされる肝斑は、レーザー治療によって悪化することが知られています。
当院では患者さんのシミの状態に合わせて、適切な治療法をご提案しています。
治療法としては、主に以下のものが考えられます。
レーザーで治療できる”シミ”は、老人性色素斑とそばかすです。
- レーザーで保険:ADM太田母斑のQスイッチレーザー
- レーザーで自費:老人性色素斑のQスイッチレーザー
- ラジオ波で自費:脂漏性角化症のラジオ波メス治療
- 内服外用で自費:肝斑・炎症後色素沈着の内服外用治療
- 番外編:肝斑・くすみのレーザートーニング(自費)
シミの治療法について
前述したレーザー治療やその他の治療法をご説明します。
Qスイッチレーザー
スポット照射の高出力のレーザーで周りの組織に影響を与えずにメラニン色素のみを破壊し、シミやそばかすなどを除去するレーザー治療です。
照射した部位はかさぶたになってそれが剥がれると下に薄ピンクの皮膚ができ、メラニンが溜まっている部分が除去できると考えられます。
副作用と注意点
- 赤みやかゆみがみられることがあります
- ダウンタイムが2週間程度あります
以下に該当する方は、治療をお控えください。
- 妊娠中または妊娠する可能性がある方
- 日焼けをしている方
- 皮膚に強い炎症や湿疹がある方
レーザートーニング
スポットレーザーの様な高出力ではなく、低出力でレーザー照射することでメラノサイトを刺激することなくメラニンを破壊することができるといわれています。
これまで治療が難しいとされた肝斑のほか、そばかすや肌のくすみなどにも効果が期待できます。
以下に該当する方は、治療をお控えください。
- 妊娠中または妊娠する可能性がある方
- 日焼けをしている方
副作用と注意点
- 照射中はチクチクする痛みがあります。
- 治療後は赤みがみられることがあります。
光治療(フォト治療)
そばかすのような比較的反応がよくて小さい数が多い”シミ”、できかけの老人性色素斑がパラパラとみられる状態に対して、面で照射することで改善していきます。
シミレーザーのような切れ味はありませんが、狙ったところ以外にも面で照射できることがメリットとされます。
自分では気づかないほどの”シミ”にも効果が期待できます。
飲み薬
ビタミンCはメラニン色素の産生を抑え、酸化して黒く変色した黒色メラニンを還元するはたらきがあります。
体質によっては、お腹が一時的にゆるくなる場合があります。
L-システインはビタミンCと同様にメラニン色素の産生を抑制する以外に、皮膚のターンオーバーを促し、不要なメラニンを体外に排出するサポートをすると考えられます。
副作用として、発疹や腹痛がみられることがあります。
塗り薬
ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれ、美白効果の強い成分といわれています。
メラニンを作る酵素のチロシナーゼのはたらきを阻害し、メラニンの生成を抑えるはたらきがあります。
レチノイン酸は皮膚のターンオーバーを促し、メラニン色素の排出を助けると考えられます。
どちらの成分も副作用として、肌の赤みやかぶれなどがみられることがあります。
シミのレーザー治療の経過について
照射直後はホワイトニングといって、レーザー照射部位は白く見えます。
ホワイトニングはしっかり効いている目安になります。
ホワイトニングは細胞がダメージを受けたときにできる気泡なので、ホワイトニングはすぐになくなり、その後照射部位は黒いかさぶたとなります。
テープの貼付、軟膏処置で患部の処置を続けると、2週間をめどに薄い黒いかさぶたがとれて下にピンク色の新しい皮膚ができてきます。
ピンク色の部分はレーザー照射によって日焼けした状態になっているため日焼けに弱く、2時間に1回は日焼け止めを塗るなど徹底した日焼け対策が必要です。
日焼けしてしまった場合は炎症後色素沈着に準じて、治るのを待ったり内服外用治療を行ったりします。
シミ治療の料金
当院における治療の料金は、以下の通りです。
Qスイッチレーザー(しみ、あざ)
保険診療の場合
約6,000円~12,000円(照射面積で変わります)
自費診療の場合
シミの直径が5mmまで 5,500円 以降5mmごとに5,500円
(複数箇所の場合はそれぞれの大きさの合計になります:7mmと8mmのシミであれば合計15mmで16,500円)
レーザートーニング(肝斑やシミに) | 全顔 1回 / 16,280円 |
光治療(フォト治療:フォトシルクプラス) | 全顔 1回 / 27,280円 |
塗り薬 | レチノイン酸 5g / 3,300円 |
ハイドロキノン 5g / 1,980円 |
治療法は、シミの種類によって異なります。
まずはシミの種類を診断し、患者さん一人ひとりの状態に合った治療法をご提案します。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
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