「粉瘤が急に大きくなった。どうしよう?」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

粉瘤が急に大きくなった場合には、今は痛みがなくても後に出たり、まれに悪性化してしまう可能性があります。放置せず医療機関を受診しましょう。

ここでは、粉瘤が大きくなる原因、急成長する粉瘤の症状などについて、解説いたします。

 

粉瘤が急に大きくなる原因

粉瘤の中身の角質や皮脂は溜まったままなので、放置するとだんだん大きくなります。

その粉瘤が急に大きくなるのは、押されたり、こすったりしたことがきっかけで、袋が皮膚内で破れ、炎症が起きてしまったためと考えられます。

以前は細菌感染が原因と考えられていましたが、頻度は高くありません。たいていは異物反応を起こしていることが原因で、二次的に細菌感染が加わると症状は増悪します。このような場合に行われるのが、皮膚切開です。

押されやすいお尻や背中などで急に大きくなりやすいですが、全身のどこにでも起こり得ます。

 

急成長する粉瘤の症状

急成長した粉瘤には、以下のような症状があります。

  • 表面が赤く、痛む
  • ブヨブヨとしてくる
  • 匂いは臭い

ブヨブヨしているのは袋の中の内容物が増えたり、膿んだりしているからです。

粉瘤が破れて中の老廃物が外に出ることもあります。これに細菌感染が重なる場合には、速やかに切開する必要があります。

 

粉瘤が急に大きくなったら危険?

粉瘤は、一般的に自然治癒しない疾患です。

急に大きくなる場合には、ごくまれに悪性化することもあります。気づいたときに痛みはなくても、その後出る可能性もあるので、手術をおすすめします。

特に、中年以降の男性で臀部や頭部・顔面に大きな粉瘤ができている場合には要注意です。男性ホルモンは皮脂腺の活動を促進するので大きくなりやすく、また加齢による免疫機能の低下で感染症リスクが高まるからです。

目で見えない範囲も定期的に確認し、その部位に粉瘤を見つけたら、医療機関を受診するようにしましょう。

 

治療のポイント

粉瘤の治療は、部位や症状で違います。

ここでは感染がある場合とない場合に分けて、説明します。

感染があれば抗菌薬内服、切開排膿

炎症を抑えるために、抗菌薬を内服したり、膿を出すために切開したりします。摘出手術は、切開した傷の治癒を待ってからになるので、治療期間が長めになってしまいます。

摘出手術は、感染のない場合も同じです。

切開は局所麻酔を使いますが、翌日と1週間後に来院が必要です。

感染がないとき・なくなってから:粉瘤の袋を摘出

粉瘤の袋を摘出する手術をします。方法は以下の2つです。

  • くり抜き法
  • メスによる切除縫縮

大きさが大きすぎず、周囲への癒着が強くないときにするのが、くりぬき法です。

粉瘤のサイズにあった円筒状メスを使って、袋をくり抜きます。くり抜き法ができないときには、メスを使った切除縫縮法を使います。

 

どちらも、局所麻酔の日帰り手術が可能です。

 

粉瘤の予防方法

粉瘤の効果的な予防用法は、今のところ、ありません。

自然治癒しないので、できたら早めに切除する方がいいでしょう。

自己判断で対処すると、感染したり、内容物を出すだけにとどまり再発したりする可能性があるので、避けるようにしましょう。

 

当院の治療の特徴

当院では、皮膚科専門医が状態にあった最適な施術を提案します。

局所麻酔薬を使った日帰り手術なので、痛みを感じることなく、基本的に短時間で終了します。

傷あとが目立ちにくい「くり抜き法」を採用しているので、部位や状態によってはこの方法で施術可能です。

 

川崎駅西口より徒歩3分、平日は19:00まで、土曜日も診療しているため、手術後にも通院しやすいという特徴もあります。

 

治療の流れ

治療は、以下のような流れで行います。

  1. 受付・問診表の記入
  2. 診察
  3. 手術
  4. 術後ケアについての説明

 

粉瘤の経過を伺い、患部を診察します。粉瘤の場所や状態に応じた治療法を判断し、手術の方法や合併症などについて詳しく説明します。

手術では局所麻酔薬を使うので、痛みはありません。化膿している場合は、切開して膿を出す必要があるため、皮膚切開します。

この場合は、傷がふさがった後、芯が残っていることを確認、改めて手術します。

 

手術後に軟膏処置やガーゼ交換などの傷のケア、痛み止めの内服方法、日常生活上の注意点などについて説明するので、守るようにしてください。

次回、来院の予約をして終了です。

 

費用

粉瘤は、保険診療が可能です。部位や大きさによって費用は異なりますが、大まかに以下のようになります。

 

メスを使った切除縫縮法約10,000円~15,000円(税込)
くり抜き法約10,000円~15,000円(税込)

排膿のための皮膚切開は、3割負担で約2,200円~2,800円(税込)です。

 

よくある質問

Q. 粉瘤は少しずつ大きくなるものですか?

袋の中で、皮脂や角質などが排出されず溜まり続けるので、通常はだんだんと大きくなります。

Q. 粉瘤が腫れてきたらどうすればいいですか?

早めに医師の診察を受けましょう。粉瘤の状態にもよりますが、炎症を抑えるために抗菌薬の内服、排膿切開などをします。

切開した場合の摘出手術は、通常、3か月後くらいです。

Q. 粉瘤を長年放置するとどうなるか?

粉瘤は放置したままでは治癒しません。通常、中身の角質や皮脂が溜まり続けて大きくなります。

皮膚の中で破れ、痛みや腫れ、膿などが出る可能性があります。

 

川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」

粉瘤が急に大きくなるのは異物反応で、炎症症状が起きているためと考えられます。

悪性化したり、痛みが出たりすることもあるので、早めの受診をおすすめします。

当院では、粉瘤の日帰り手術をしています。皮膚に痛みや赤みで悩んでいる場合には、いつでもお気軽にご相談ください。

 

川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修

 

副作用・リスク

メスを使った切除縫縮法

  • 出血
  • 感染
  • 再発
  • 局所麻酔薬のアレルギー反応など

くり抜き法

  • 出血
  • 感染
  • 再発
  • 局所麻酔薬のアレルギー反応など

 

参考文献
日本皮膚科学会「アテローム(粉瘤)Q6 化膿することがあると聞きましたが?」