「ほくろを除去したいけれど、再発しないか心配」と思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ほくろが再発する可能性があるかやほくろ除去後に再発する原因、再発しないための方法などについてご紹介します。

ほくろ除去を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ほくろ除去後に再発することはある?

ほくろは除去しても、ごくわずかですが再発する可能性があります。

ほくろは皮膚細胞ではなく、母斑細胞が増殖した状態のことです。そのため、しっかりと母斑細胞を取り切らないと母斑細胞が再び増殖し再発してしまう可能性があります。

ほくろは、大きさ・深さ・場所・色がさまざまなので、除去時には状態に合わせた治療方法を選ぶことが大切です。

 

再発の原因とは

除去後のほくろが再発するのは、以下が原因です。

  • 母斑細胞が外見上は表皮のみに存在すると思っても、真皮にまで到達していた
  • あまり深く切除すると傷が残ると考え、施術医があえて切除しなかった部分に母斑細胞があった
  • 施術後にUVケアなどのセルフケアを怠った

 

母斑細胞は一般的に褐色や黒色のものが多くなっていますが、まれにあるのが正常皮膚色のものです。

正常皮膚色だと、母斑細胞と分かりづらく取り切れない可能性もあります。

また、母斑細胞を深く切除すると傷が残りやすいため、あえて行わない場合があります。その場合、母斑細胞が残って再び増殖することがあります。

 

さらにほくろ除去後は、バリア機能が低下しているため、肌はいつもより敏感な状態です。

紫外線の影響を通常よりも受けやすく、刺激はほくろ再発の原因にもつながります。

施術後に日焼けへの対処が十分でなかった、自然にはがれるのを待つべきかさぶたを自分で取ってしまったなどセルフケアの不十分さは、肌への刺激になります。

 

再発しないための方法

再発しないためには、真皮を切り取って母斑細胞を完全に取り除けるメスによる切除が一番良い方法です。

しかし、皮膚を葉っぱの形(紡錘形)に切り取り、切除後に皮膚を糸で縫い合わせるため、傷が残る可能性があります。

 

医師はほくろのできている部位や大きさなどに合わせて、最適な施術方法を提案しますが、ご希望がある場合はお伝えください。

また、UVケアを怠らない、無理にかさぶたをはがさないなど施術後のセルフケアをしっかりするようにしてください。

 

施術方法の選び方

確実にそしてきれいに取りたいなら、ほくろの状態に合わせて施術方法を選ぶ必要があります。

ここでは、施術方法の選び方を紹介します。

 

以下に各々の施術方法の特徴を示しました。

【施術方法の特徴】

 

ラジオ波メス

くりぬき法

メスによる切除

概要

高周波ラジオ波を照射しながら、患部をメスで削り取る方法。

円形のパンチを使って、皮膚をくり抜く方法。

メスを使って皮膚を葉っぱの形(紡錘形)に切り取り、切除後、皮膚を糸で縫合する方法。

大きさ

3~4mm以下

1mm~6mmまで

問わない

再発の可能性

あり

ない

ない

傷口

目立たない

小さい

少しわかる

保険診療

できない

できる

できる

大きさや部位で選ぶ

大きなものはラジオ波メスだと難しいので、メスによる切除が必要です。

また、顔で小さいものならラジオ波メスがおすすめです。ラジオ波メスは切除と同時に止血もできるので、皮膚に対するダメージが少なく、傷跡が目立ちにくい特徴があります。

体への負担のかかり方で選ぶ

再発を防ぎたいなら、メスによる切除が最適ですが、傷跡が残りやすいという点に配慮が必要です。

また出血を避けたいなら、皮膚組織を焼きながら切除するラジオ波メスがいいでしょう。

費用で選ぶ

ほくろは、以下のような場合にくりぬき法やメスによる手術を使うと、保険診療で行えます。

  • 悪性の可能性がある
  • 生活に支障がある
  • 医師が必要と判断した

美容目的の場合には自由診療なので、どの方法でも全額自己負担です。またラジオ波メスを使う場合も自由診療です。

 

手術後のケア

ここでは、手術後のケアについて、解説します。

ラジオ波メス

施術後は、抗菌薬の軟膏を塗布して、医療用テープで保護するケアを毎日してください。

また、2週間後に再診が必要です。患部の確認をします。

傷あとを残さないように、UVケアも必要です。日焼け止めクリームを丁寧に塗る・帽子をかぶるなどしましょう。

くりぬき法・メスによる切除

1週間後にご来院いただき、抜糸します。その後は、医療用テープで患部を保護します。

ラジオ波メスと同様に、UVケアも怠らないようにしましょう。

もとの皮膚へ戻る期間には個人差がありますが、通常は約3~6か月です。

 

当院の治療の特徴

当院では、ほくろの状態を診察後、ラジオ波メス・くりぬき法・メスによる切除の3つから、最適な方法を提案します。

また、すべての施術方法で局所麻酔を使用するので、痛みの心配はありません。

ご希望がある場合には、診察時にお伝えください。

 

治療の流れ

当院では、日帰り手術も可能です。

施術は以下のような流れで行います。

  1. 医師の診察とカウンセリング
  2. 局所麻酔
  3. 施術
  4. 術後ケア

診察では大きさや症状などを確認し、一人ひとりに合わせた治療を提案しますが、症状に応じて、拡大鏡検査をすることもあります。

局所麻酔薬を注射後、除去し、その後、縫合や軟膏処置などで対応します。手術終了後は、自宅での処置が必要です。

また抜糸や傷の経過を確認するために、縫合した場合には1週間後の来院が必要になります。

 

費用

ラジオ波メスは自由診療ですが、くりぬき法やメスによる切除では保険診療が使えます。

ラジオ波メス

ほくろの大きさで、費用は違います。

ほくろの大きさ

費用(税込)

3mmまで

10,780円

6mmまで

16,280円

10mmまで

21,780円

※10mm以上は5mmごとに、11,000円(税込)の追加料金がかかります。

※複数のほくろを同時に切除する場合には、サイズを合算して料金を算出します。
たとえば、2mmのほくろを2個と4mmのものを一度に切除した場合、合計8mmの大きさと考え、10mmまでの21,780円(税込)が適用です。

 

くりぬき法・メスによる切除

保険診療だと、3割負担で、約10,000円~20,000円(税込)です。

自己負担額については、お気軽にご相談ください。

 

よくある質問

Q. ほくろが再発するのはなぜですか?

ほくろが再発する主な理由は、母斑細胞の取り残しがあること、施術後のセルフケアが不十分なことです。

再発を避けるためには、部位と大きさに適した施術方法を選ぶ必要があります。

また施術後は、UVケアなどセルフケアに努めましょう。

Q. ほくろ除去の再発率は?

ごくわずかだと言われています。

ほくろの除去方法はラジオ波メスやくりぬき法、メスによる切除以外にもいろいろあり、再発率も治療法やほくろの種類によって異なっているのが実情です。

また再発の定義、追跡期間が研究によって違い、データ収集や比較が難しいという問題のほかに、美容目的の治療であり、もともと医学論文としての報告が少ないという面もあります。

Q. ほくろはどれくらいで再発しますか?

このことについても報告はいろいろです。

研究では除去後の経過観察期間を3~6か月としており、再発する場合の目安はこの頃のようです。

 

ほくろ除去を考えるなら、川崎たにぐち皮膚科へ

ほくろ除去後に再発してしまうのは、母斑細胞が取り切れていなかったり、術後のセルフケアが十分でないことが理由ですが、ごくわずかです。

ほくろのできている部位や大きさなどに合わせて、適した施術方法を選ぶとリスクは少なくなります。

 

ほくろ除去を考えている方や除去後の再発に悩む方は、お気軽に当院へご相談ください。

 

川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修

 

副作用・リスク

ラジオ波メス

ラジオ波メスの副作用やリスクは、以下のとおりです。

  • 赤み
  • かゆみ
  • 色素沈着
  • 腫れ
  • 熱傷
  • 熱感
  • 瘢痕形成など

かさぶたができても、自分では取らないでください。

くりぬき法・メスによる切除

くりぬき法やメスによる切除の副作用やリスクは、以下のとおりです。

  • 出血
  • 感染
  • 再発
  • 局所麻酔薬のアレルギー反応など

その他にも、体調の変化があった場合には医師に相談してください。

 

参考文献

日本形成外科学会「色素性母斑(ほくろ・母斑細胞母斑・黒子)」

厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業) 令和3年度 分担研究報告書「美容医療の診療指針(令和3年度版)報告」