「粉瘤を取り除きたいけど、手術は大変そう」 「切開手術してくれるクリニックを探している」 手術で粉瘤を何とかしたいと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

術後の経過が気になるという方も多いでしょう。

ここでは、粉瘤手術の流れや術後の過ごし方、注意点について詳しく解説します。

 

粉瘤(アテローム)とは?

まずは、粉瘤の原因と症状について説明します。

 

粉瘤(アテローム)の原因

粉瘤とは、皮膚の内側に形成される袋状の構造物です。

通常は皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮脂が袋の中に溜まり、腫瘍(嚢腫)を形成することがあります。

袋の内部に溜まった角質や皮脂は排出されず、時間の経過とともに大きくなる傾向があります。

特に、顔・首・背中などができやすい部分です。

 

粉瘤(アテローム)の症状

粉瘤は通常、痛みがなく硬いしこりとして感じられます。

大きさは豆粒程度から数センチまで成長する可能性があり、感染すると赤く腫れたり痛みや違和感を伴ったりすることもあります。

 

また、強く圧迫すると臭くドロドロした物質が出ることがあるため、注意が必要です。

このような症状が見られる場合、早めに医療機関を受診し適切な治療を受けることをおすすめします。

 

当院における粉瘤手術の流れ

当院における粉瘤手術の流れは、以下のとおりです。

 

1.問診表の記入

事前に問診表へのご記載をお願いしています。

粉瘤に気づいた時期や場所、持病やアレルギーの有無、内服薬などについての情報が必要です。

できるだけ詳細にご記入ください。

 

2.診察

診察では、どのような取り方が適切かを判断します。

ある程度大きい粉瘤や炎症を起こして袋が皮膚とくっついている場合は、メスを使った切除縫縮という手術が必要になることがあります。

また、化膿して腫れている場合は、まず抗生物質を内服していただき、炎症を抑えます。

 

しかし、触れてぶよぶよしている状態になっているケースでは、切開して膿を出す必要があります。

当院では切開が必要と判断した方には、当日の切開処置を行っています。

 

3.手術

粉瘤の状態や場所に応じた手術の方法は、以下のとおりです。

 

くり抜き法

くり抜き法は、傷跡が目立ちにくい方法です。

局所麻酔薬を使用後、パンチで粉瘤部分をくり抜き内側から袋と内容物を取り出します。

切除後は状態により穴を開けたまま軟膏処置をするか、縫合するかを判断します。

 

メスを使った切除縫縮

メスを使用した切除縫縮は、粉瘤の標準的な治療法です。

局所麻酔を使用後、粉瘤部分の皮膚を葉っぱのような形に切除・摘出し、止血後に傷を縫合します。

できるだけ傷跡は最小限に抑えますが、粉瘤の大きさと同じ長さの傷跡が残る場合もあります。

 

粉瘤が腫れている場合

粉瘤が腫れている場合局所麻酔を使用し切開して膿を出します。

切開した部分に膿が溜まらないよう開放した状態で処置を行います。

 

粉瘤手術後の過ごし方と経過

粉瘤手術後の過ごし方とその後の経過のポイントは、以下のとおりです。

 

1.術後の過ごし方

手術の当日は、体への負担を抑えるため、飲酒や激しい運動は控えましょう。

ゆっくりと休息をとることが大切です。

抜糸までの約1週間はシャワーのみにとどめ、傷口は湯船につけないようにしてください。

重い荷物を持つなど、体に負荷がかかることも避けましょう。

 

2.術後の経過

 

<くり抜き法・メスを使った切除縫縮>

 

手術直後

手術直後は、軽度の出血や腫れが見られることがありますが、通常の反応です。

ご自宅で処方された軟膏を塗布し、ガーゼで保護していただきます。

ただし、出血が多い場合や痛みがある場合などは、速やかに医師に相談してください。

 

1週間後

1週間後に来院していただき、傷の状態を診察します。

縫合している場合は、抜糸します。

ただし、頭や手のひら・足の裏などについての抜糸は、約2週間後です。

 

2週間後

2週間後に再度来院していただきます。

傷の治癒状態を診察し、組織検査の結果をご説明します。

 

<粉瘤が腫れて切開した場合>

粉瘤が腫れてしまい切開した場合、手術の翌日創部の確認をします。

手術から1週間後に再度創部の処置を実施し、通常2〜3週間程度で傷がふさがります。

傷が完全に閉じた後、その約3ヶ月後を目途に改めて手術し、袋ごと粉瘤を取り除きます。

粉瘤の経過には個人差もあるため、当院では定期的な診察を通じてアドバイスいたします。

 

粉瘤治療の注意点

粉瘤治療を受ける際は、合併症に注意が必要です。

粉瘤手術では局所麻酔薬が使用されるため、アレルギー反応や出血、強い痛み、赤みや熱感などの症状が現れる可能性もあります。

これらの症状が見られる場合は、医師に相談してください。

 

また、手術後は傷口から感染するリスクがあります。

傷口を清潔に保持し、医師の指示に従って適切なケアをすることが重要です。

 

粉瘤でお悩みの方は「川崎たにぐち皮膚科」へご相談ください

当院は、川崎周辺で粉瘤の切開手術を実施している数少ないクリニックです。

部位や大きさによって費用は異なりますが、公的医療保険が適応されます。

粉瘤は基本的に自然治癒しない皮膚疾患です。

 

粉瘤でお悩みの方やご不明点がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。

当院の受診方法は、こちらをご確認ください。

 

【川崎たにぐち皮膚科院長|谷口隆志 監修】