体にできたイボを見つけたときには、何度も触ってしまうことがあります。
また痛みがないからといって、そのまま放置してしまうこともあるでしょう。
しかしウイルス性イボは、触ったり放置してしまったりすると、治療が長引いてしまうかもしれないのです。
ここからは、ウイルス性イボについて、原因や治療方法を紹介します。
ウイルス性イボの原因・イボができるメカニズムは?
イボは「皮膚が盛り上がったできもの」です。
イボが作られる原因は、加齢や紫外線、体質などさまざまなものが関係しています。
ここでは、ウイルスが原因でイボが作られる「ウイルス性イボ」の原因とメカニズムについて紹介します。
原因はヒトパピローマウイルス
ウイルス性イボは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で起こります。
HPVにはたくさんのタイプがあり、イボを作るタイプ以外にも性感染症や子宮がんの原因となるタイプもあります。
特定のタイプのHPVが皮膚や粘膜などに感染することで、さまざまな形をしたイボが作られるのです。
感染のメカニズム
HPVは、小さな傷口があるとそこから皮膚に感染してイボを作ります。
そのため、傷が作られやすく肌荒れしやすい手足、アトピー性皮膚炎でかゆみを感じてかきむしりやすい肘や膝などによくできます。
家族とタオルを共有している場合や、脱衣所にある足拭きマットなどでウイルス感染することもあるので注意が必要です。
ウイルス性イボを放置するとどうなる?
治療をせずに、ウイルス性イボを放置すると、さまざまな問題が発生しやすくなります。
他の場所にもイボができる
イボができた場所を触った後に体を触ると、ウイルスがその場所に感染することにより、新しいイボが作られてしまうかもしれません。
イボを触れることはなるべく避けましょう。
イボが大きくなる
最初は小さなサイズのイボであっても、時間が経過するにつれて大きく盛り上がったような形に変化するかもしれません。
大きくなったウイルス性イボが足にあると、タコ・ウオノメのように、押すと痛みを感じることがあります。
そうなると、「歩く度に痛みを感じる」、「痛みで歩けなくなる」可能性も考えられます。
放置していると、イボの数が増える、大きくなることで治療に時間がかかるかもしれません。
イボを見つけたときには、放置せずに早めに皮膚科を受診しましょう。
ウイルス性のイボを治療するには?
ここからは、当院で行っているウイルス性イボの治療方法について紹介します。
ウイルス性イボは、放置している時間が長くなると、それだけ治療に時間が必要になります。
ウイルスの影響がなくなるまで、根気よく治療を続けましょう。
内服薬
体のあちこちにできてしまったウイルス性イボには、漢方薬のヨクイニンを処方します。
ヨクイニンは、HPVウイルスに対して免疫力を高める抗ウイルス作用が確認されている成分です。
他の治療と組み合わせて使うこともあります。
外用薬
ウイルス性イボが盛り上がっているときには、患部の皮膚は厚く硬くなっているかもしれません。
このようなときには、皮膚をやわらかくするサリチル酸ワセリンという成分を利用します。
サリチル酸ワセリンの入った薬を患部に塗ったり貼ったりすと、厚くなった皮膚がやがてはがれ落ちて、イボが少しずつ小さくなっていきます。
冷凍凝固療法
施術内容
液体窒素を使ってウイルスが感染した患部を凍らせてイボの細胞を破壊します。
施術後、時間が経過するとカサブタ状となり、患部のイボがはがれ落ちます。
注意事項・副作用
- 患部の皮膚が厚く、イボのサイズが大きいほど繰り返しの治療が必要です。
- 保険内で診療をするときには、1週間以上間隔を空ければ治療が可能です。
- 施術後は、凍傷ややけどのような反応が起こるため、患部に痛みを感じるかもしれません。通常は2~3日で痛みが落ち着きます。
- 施術後は、患部が血豆や水ぶくれになるかもしれませんが、カサブタとなって自然にはがれ落ちます。
- 血豆や水ぶくれが気になるからといって、触るのは避けましょう。もしも触ってしまうと、ウイルスが他の場所に感染することで、患部のイボが別の場所に広がるかもしれません。
- 血豆や水ぶくれが破れてしまったときには、ガーゼで患部を保護しましょう。
料金保険診療(3割負担の場合)
・冷凍凝固療法 約700円
詳しくは「冷凍凝固療法(液体窒素)について」をご覧ください。
川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」
ウイルス性イボを触ったり放置したりすることで治療時間が長引くかもしれません。
イボを見つけたときには、触るのを控えて、なるべく早めに皮膚科を受診するとよいでしょう。
川崎たにぐち皮膚科では、内服薬、外用薬、冷凍凝固療法でウイルス性イボの治療をしています。
ウイルス性のイボが気になる方は、いつでもご相談ください。