ニキビ跡治療には、細い針を使ったマイクロニードル治療があります。

マイクロニードル治療の中でも代表的な治療といえば「ダーマペン」「ポテンツァ」です。

ここでは、当院の美容施術であるダーマペンとポテンツァそれぞれについての特徴や違いについて紹介します。

 

ダーマペンとは

「ダーマペン」は、細い針がついた機械を使って皮膚の表面に微細な穴を開けてから、有効成分を肌の表面に塗布する方法です。

ニキビ跡、毛穴の開き、小じわ、ハリなどがある方にオススメです。

 

<選択できる薬剤の種類>

当院では成長因子(サイトプロMD)、ウーバーピールという薬剤があり肌状態やご希望に合わせて選択できます。

 

成長因子(サイトプロMD)

ニキビ跡、クレーター、毛穴の開きが気になる方にオススメの薬剤です。

ヒト骨髄幹細胞由来の成長因子・サイトカインを配合しています。

 

肌トラブルの原因となりがちな炎症反応を素早くおさえられるため、繰り返す肌トラブルがある方や、肌老化が気になる方にも向いています。

 

ウーバーピール

表皮をターゲットとした低刺激性のピーリング剤です。

色素沈着、肝斑などが気になる方にオススメの薬剤です。

主成分として、以下のようにさまざまな成分を配合しています。

マンデル酸古い角質を取り除く
乳酸角質をやわらかくして、有効成分を浸透しやすくする
ヒアルロン酸水分を補って肌弾力をアップする
ナイアシンアミドコラーゲンの減少抑制、メラニンを作られにくくする
レゾルシノール美白作用と抗酸化作用

これらの成分が複合的に働くことにより、さまざまな肌トラブルに対応できます。

ウーバーピールを使った施術は、皮膚の浅い部位をターゲットとして行うため出血量が少なく、ダウンタイムも短めです。

 

<ダーマペンの料金>

ダーマペンでは使用薬液別に、以下の料金が必要です。

(※保険診療外の自由診療であり、料金は自費です。)

顔全体:成長因子入りマスクパック付き

サイトプロMD32,780円(税込)
ウーバーピール21,780円(税込)

 

ポテンツァとは

「ポテンツァ」は、細い針を皮膚に刺してから、針先から高周波を照射して有効成分を肌の内部に注入する方法です。

ニキビ跡、毛穴の開き、小じわ、ハリなどがある方にオススメです。

 

当院では「ニキビ跡・スキンリジュビネーション治療」「赤ら顔・毛穴の開き治療」という二種類の治療を選択できます。

 

<ニキビ跡治療・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:サイトプロMD)>

真皮部分に針を入れて高周波エネルギーを与えることにより、線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンといった肌にとって大切な成分を作り出します。

またドラッグデリバリーシステムを使用して薬剤を注入することにより、各成分が肌に浸透しやすくなります。

 

ニキビ跡・肌質のお悩みがある方にオススメの治療です。

施術回数の目安は、4〜6週に1回の定期的な施術で浅い傷跡は3~5回、深い傷跡は5~10回です。

 

<赤ら顔・毛穴の開き治療>

針から出る高周波エネルギーを肌の浅い部分から深い部分まで均一に与える治療です。

コラーゲン産生の促進、皮脂腺の焼却などの働きにより、赤ら顔や毛穴の開きにアプローチします。

 

とくに気になる肌状態が続いているときには、ポテンツァによる4〜6週に1回の定期的な施術がオススメです。

複数回の施術を受けることにより、健康的な肌状態を目指します。

 

<ポテンツァの料金>

ポテンツァは一回の施術ごとに下記の料金が必要です。

(※保険診療外の自由診療であり、料金は自費です。)

 

ニキビ跡・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:サイトプロMD)

全顔 1回88,000円(税込)
両頬+鼻or両頬+こめかみ 1回69,300円(税込)

 

ニキビ跡・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:ジュベルック)

全顔 1回77,000円(税込)

 

赤ら顔・毛穴の開き治療

全顔 1回66,000円(税込)
両頬+鼻or両頬+こめかみ 1回44,000円(税込)

 

ダーマペンとポテンツァの違い

ここからは、「ダーマペン」と「ポテンツァ」の代表的な違いについて紹介します。

 

有効成分の浸透方法

肌にとって大切な各種有効成分は、ダーマペンとポテンツァでそれぞれ肌に浸透させる方法が異なります。

 

ダーマペン

針で穴を開けた後、有効成分を肌表面に塗布して浸透させます。

 

ポテンツァ

針で穴を開けた後、ドラッグデリバリーシステムによって肌内部の真皮層に直接薬剤を浸透させるのです。

ダーマペンよりも肌の奥深くへ浸透できるのがポテンツァの特徴といえます。

 

ドラッグデリバリーシステムの有無

ポテンツァには、薬剤を肌内部に効率よく注入するドラッグデリバリーシステムが備わっています。

ダーマペンにはないポテンツァ独自の技術であるドラッグデリバリーシステムについて、詳しく説明しましょう。

 

<ポテンツァ独自のドラッグデリバリーシステム>

 

1.ニードルをセットする

まず本体にニードルがセットされると、本体側に空気が流れ込みます。

 

2.皮膚を押し上げて肌に穴を開ける

肌にニードルを刺すタイミングに合わせて、空気の動きにより皮膚が押し上げられ、ニードルが正確に肌内部に挿入されるのを手助けします。

 

3.針先からRFを照射

患部にニードルを刺しながら、針先からモノポーラRFを照射します。

従来のレーザー治療では届かないような肌内部にある真皮層に対して、直接高周波エネルギーを与えます。

 

4.肌からニードルを除去する

ニードルを除去するときには、本体から空気が押し出されます。

 

5.患部に薬剤を注入する

ニードルによって肌に空けられた穴に、空気の押し出しを利用して薬剤が注入されます。

このようなドラッグデリバリーシステムによって、ポテンツァは、肌の内側にある真皮層の深部にまで、薬剤を均一に届けられるようになっているのです。

 

効率的なデリバリーシステムによって、ダーマペンよりも多くの薬剤量を真皮層まで届けられます。

 

効果を実感するタイミング

ポテンツァは、独自のドラッグデリバリーシステムによって、ダーマペンよりも肌の奥まで均一に薬剤を届けられます。

そのため、肌表面に薬剤を塗布するダーマペンに比べると、効果を実感しやすい施術といえます。

 

さらに詳しい情報については、 「ポテンツァの効果を感じる時期は?持続期間と受ける回数・頻度について」 をご覧ください。

 

ダウンタイム

ダウンタイムとは、施術を受けてから通常の生活に戻るまでに必要となる期間のことです。

それぞれの代表的なダウンタイムについて紹介します。

 

ダーマペン

「針穴の形をした内出血」や「皮むけ」、「赤み」などがダウンタイム中に起こる代表的な症状です。

施術目的や肌状態によってダウンタイムの症状も異なりますが、ほとんどの場合で施術から約1週間程度経過すると症状はおさまります。

 

ポテンツァ

「赤み」や「乾燥肌」がダウンタイム中に起こる代表的な症状です。

施術直後に肌に赤みがあらわれても、翌日になるとほとんどの場合で症状はおさまります。

赤みがひきにくいときも、時間が経過するにつれて少しずつおさまります。

 

また施術後の乾燥肌が気になるときには、定期的な保湿剤の塗布や、皮膚の再生を促すためのマスクパックが有用です。

先端部以外に熱を通さない加工がされているため、過度な熱ダメージを受けることがなく、狙った患部だけをターゲットとして照射できます。

 

またポテンツァは、針先から高周波を照射して患部の出血を抑えられるのです。

そのためダーマペンよりもダウンタイムは短くなります。

 

痛みの感じ方

痛みの感じ方には個人差があるため、どのぐらいの痛みを感じるのかについては、人それぞれで異なります。

また施術目的によって、針を刺すタイミングや深さを調整するためさらに痛みの感じ方には幅が出てしまいます。

 

ダーマペン

細い針が16本ついており、1秒間に最大120回の振動によって肌に刺激を与えます。

極細の針ですが、高速に振動しながら患部を刺すため、どうしても痛みを生じてしまいます。

 

ポテンツァ

細い針がついており、患部を刺すときには深さやスピードを個別に調整できます。

そのため理論上は、ダーマペンよりも痛みが少ないと思いがちです。

 

しかし実際のところ、ポテンツァの効果を実感しやすくするためには、高周波の熱エネルギーをしっかりと照射しなければなりません。

熱エネルギーは肌に作用するため、このときに痛みを感じやすくなります。

 

当院では、ダーマペンとポテンツァの施術前には、麻酔クリームを利用して痛みを軽減できるように配慮していますが、それでも強い痛みを感じるかもしれません。

(※ウーバーピールを用いたダーマペンの施術では、浅く針を刺すため麻酔は不要です。)

 

アフターケアの違い

施術後に必要となる代表的なアフターケアについて、それぞれ紹介します。

 

ダーマペン

施術当日に患部をぬらさないように入浴や洗顔、メイクは翌日以降にしましょう。

また傷口が治るまでは肌に刺激を与えないように、メイクやクレンジングはなるべく控えた方がよいでしょう。

 

肌に赤みが出たときには、激しい運動、飲酒は避けてください。

乾燥肌や紫外線に注意して保湿ケアUVケアを丁寧にしましょう。

 

ポテンツァ

施術当日はシャワーのみ可能です。

入浴は翌日以降にしましょう。

洗顔は施術当日でも可能ですが、施術部位をこすらないようにしましょう。

メイクは翌日以降から可能です。

腫れやほてりが出たときには、激しい運動、飲酒は避けてください。

乾燥肌や紫外線に注意して保湿ケアUVケアを丁寧にしましょう。

 

対応できる治療の違い

ダーマペンとポテンツァは、それぞれで対応できる治療内容が異なります。

 

ダーマペン

使用する薬剤を選択することでニキビ跡、毛穴の開き、小じわやハリなどのお悩みに対応できます。

 

ポテンツァ

針先から高周波を照射して、真皮層深部に直接熱エネルギーを与えます。

照射する熱量の調整や針を刺す速度などを細かく設定できるため、幅広い肌の悩みに対応しやすい治療法といえるのです。

とくにニキビ治療では、高周波を流すことで皮脂腺を破壊するためニキビの発生を長期的に防げます。

 

疾患別のアプローチ方法

ダーマペンとポテンツァは、それぞれ疾患別にアプローチ方法が異なります。

代表的な疾患について、詳しく確認していきましょう。

 

<ニキビに対するアプローチ>

ニキビの原因には「皮脂の過剰分泌」、「毛穴の詰まり」、「アクネ菌の増殖と炎症」が関与しています。

ダーマペンとポテンツァはそれぞれ以下のような働きでニキビにアプローチします。

 

ダーマペン

過剰に皮脂が分泌されるような肌状態を改善して、毛穴に皮脂がたまりにくい素肌へと導きます。

ニキビが発生しにくい肌へと整えてくれるのですが、根本的な治療ではないためニキビが再発する可能性は残ってしまいます。

 

ポテンツァ

高周波エネルギーを一つひとつの患部にピンポイントに照射して皮脂腺を破壊します。

皮脂腺はニキビが発生する原因となっているため、根本的なニキビ治療がおこなえます。

一度でも患部を治療したときには、今後は同じ場所からニキビが再発しなくなるのです。

 

<ニキビ跡に対するアプローチ>

ニキビが治った後に、肌にクレーター状のでこぼこができたり、色素沈着がみられたりすることもあります。

そのようなニキビ跡に対して、それぞれ以下のような働きが期待できます。

 

ダーマペン

極細の針で肌に穴を開けることで、穴をふさごうとする創傷治癒の働きによって、コラーゲンなどの美容成分が生成されます。

その後、成長因子などの成分を肌に補うことで肌の再生を促し、ニキビ跡が目立たない肌状態へと導きます。

 

ポテンツァ

ダーマペンと同様に極細の針による創傷治癒の働きがあります。

また深く肌が傷ついているようなニキビ跡は、真皮にまでダメージが達しているかもしれません。

ポテンツァは高周波エネルギーを真皮層に直接照射して、傷ついた肌状態を整えてくれます。

 

線維芽細胞が刺激を受けて活性化され、コラーゲンやエラスチンといった美容成分が作られやすく、さらにドラッグデリバリーシステムによって美容成分を補うことで、肌を内側から改善に導くのです。

 

<赤ら顔(酒さ)に対するアプローチ>

赤ら顔(酒さ)は、肌に炎症が起きて、赤みの原因となる血管が作られることで症状が起こります。

 

ダーマペン

炎症による肌状態を整えてくれますが、赤みの原因となっている血管にアプローチするのは難しいといえます。

 

ポテンツァ

高周波エネルギーを照射できるため、毛細血管がある真皮層へ直接熱エネルギーを与えます。

赤ら顔(酒さ)の原因となる血管が新しく作られる働きを抑制できるため、赤ら顔(酒さ)の治療に有効です。

 

さらに皮脂の分泌を抑制する作用や、抗炎症作用、コラーゲン産生作用などにより、赤ら顔(酒さ)で傷ついた肌状態を整えます。

 

<肌たるみ・小じわに対するアプローチ>

肌がたるむことで小じわができる「たるみジワ」は、肌内部の美容成分が減少して起こりやすい症状です。

 

ダーマペン

極細の針で肌に穴を開けることで、穴をふさごうとする創傷治癒の働きによって、コラーゲンなどの美容成分が生成されます。

その後、成長因子などの成分を肌に補うことで肌の再生を促して、肌内部からたるみにアプローチして、小じわの改善が期待できます。

 

ポテンツァ

ダーマペンと同様に極細の針で肌に穴をあけることにより、創傷治癒の働きによってコラーゲンなどの美容成分が生成されます。

さらに高周波エネルギーの照射によって、肌の弾力を高めてくれる成分も作られやすくなります。

またドラッグデリバリーシステムにより美容成分が肌の内側まで浸透しやすくなるため、肌のたるみや小じわの改善に効果的といえるのです。

 

ダーマペンとポテンツァのどちらを受けようか迷っているときには、ぜひお気軽に医師までご相談ください。

現在の肌状態を確認しながら、オススメの施術方法をご提案いたします。

 

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)

 

川崎の皮膚科なら「川崎たにぐち皮膚科」

当院は、「ダーマペン」と「ポテンツァ」というマイクロニードル治療をしています。

それぞれ、今回紹介したような特徴があります。

ダーマペンとポテンツァのどちらの施術を受けるべきか、迷ったときにはぜひお気軽にご相談ください。

あなたの肌状態や現在のお悩みなどを考慮して、医師がオススメの施術方法をご提案いたします。

 

保険診療主体で一般皮膚科から手術、レーザー、紫外線治療、アレルギー検査まで幅広い皮膚のお悩みに対応します。

お気軽にご相談いただければと思います。

当院の受診方法はこちらをご確認ください。