頬や鼻などに赤みがあらわれるという症状は、なぜ起こってしまうのでしょうか。

ここからは、肌に赤みが出る代表的な皮膚疾患の「毛細血管拡張症」について、原因と治療をご紹介します。

保険適用で行える治療についても後半に記載しているので参考にしてください。

 

毛細血管拡張症とは

体全体に血液を届けるという働きをもつのが血管です。

血管の種類には、心臓から血液を全身へ送る「動脈」、血液を心臓に戻す「静脈」、動脈と静脈をつなぎ全身に網目状にある「毛細血管」の3種類があります。

毛細血管拡張症は、この毛細血管がなんらかの理由により拡張したまま元に戻らなくなり、皮膚から透けて見えるようになった状態をいいます。

具体的には以下のような特徴があります。

 

<毛細血管拡張症の特徴>

  • 毛細血管が持続して拡張している
  • 炎症を伴わない
  • 赤みは自然に消えない

上記に書かれている特徴のすべてを満たすときに「毛細血管拡張症」と診断されます。

たとえば、「一時的に肌に赤みがある」、「ニキビなどの炎症が原因で肌に赤みが出た」、「治療せずとも自然に赤みが消えた」ときには毛細血管拡張症ではなく他の疾患である可能性が高くなります。

 

毛細血管拡張症の原因

毛細血管拡張症の原因としては、大きく分類すると「体質によるもの」「生活習慣によるもの」があります。

それぞれについて代表的なものをご紹介します。

 

<体質によるもの>

 

遺伝、加齢

遺伝によって、もともとの皮膚が薄いと皮膚の内側にある毛細血管が透けて見えるかもしれません。

また加齢によって、皮膚にある脂肪量が減少するなど肌状態が変化することにより、症状があらわれることもあります。

 

女性ホルモンなどの影響

毛細血管拡張症は女性に多くみられる疾患であり、とくに妊娠中には胸、顔、首など全身にあらわれることがあります。

そのため、女性ホルモンが影響していると考えられています。

また妊娠中以外にも、女性ホルモンが配合された薬で似たような症状が起こるかもしれません。

このような場合は、出産や薬の服用を中止することにより、ほとんどの場合で症状が改善します。

 

<生活習慣によるもの>

 

寒暖差

寒暖差が激しい場所を移動すると、毛細血管が気温に合わせて拡張と収縮を繰り返します。

そうして温度を一定に保とうとする働きがあるのです。

このとき、血管が拡張したまま元に戻らないことがあります。

 

飲酒や香辛料

アルコールや香辛料などの刺激物を摂取すると、交感神経が刺激されて血流が増加することで毛細血管が拡張しやすくなります。

慢性的で過度な摂取をしているときには注意しましょう。

毛細血管拡張症には、体質の他にも生活習慣が関係しています。

治療後の再発リスクを低くしたいときには、生活習慣の改善もあわせて行うようにしましょう。

 

毛細血管拡張症の治療方法

それでは、当院で行っている毛細血管拡張症の治療についてご紹介します。

 

<保険適用>

 

毛細血管拡張症のVビームⅡによるレーザー治療

当院では、「毛細血管拡張症」に対して主にVビームⅡによる治療を行っています。

血管にあるヘモグロビンという物質に反応するレーザーであり、レーザーを患部に照射することで、赤みのある皮膚の原因となっている毛細血管を破壊して肌の赤みを軽減します。

 

VビームⅡは、厚生労働省により承認された医療機器です。

そのため、保険診療の対象となる疾患(毛細血管拡張症、単純性血管腫、苺状血管腫)の場合は保険適用が可能です。

 

<保険適用外>

 

炎症が起こっている肌(ニキビ跡など)にVビームⅡを使うとき

自分では毛細血管拡張症だと思っていても、炎症によって肌に赤みが出ることもあります。

その場合は毛細血管拡張症ではなく他の疾患である可能性が考えられます。

疾患によっては飲み薬や塗り薬による治療も有効です。

 

※保険診療の対象となる疾患(毛細血管拡張症、単純性血管腫、苺状血管腫)以外にVビームを使おうとしたときには、保険適用外(自費診療)となるため注意が必要です。

治療に関する具体的な料金などが気になるときには、いつでもご相談ください。

 

まとめ

毛細血管拡張症は、毛細血管がなんらかの理由により拡張したまま元に戻らなくなる皮膚疾患です。

「毛細血管が持続して拡張している」「炎症を伴わない」「赤みは自然に消えない」という特徴のすべてを満たすときに「毛細血管拡張症」と診断されます。

 

毛細血管拡張症になる原因としてさまざまなものが関係しています。

大きな理由としては「体質によるもの」「生活習慣によるもの」です。

治療後の再発リスクを低くしたいときには、生活習慣の改善も考慮したほうがよいでしょう。

 

当院では、毛細血管拡張症には主にVビームⅡという医療機器による施術を行っています。

毛細血管拡張症の場合は保険適用が可能です。

ただし、ニキビ跡など炎症が起こっているときには毛細血管拡張症の特徴を満たしていないためVビームの施術は保険適用外(自費診療)となることに注意しましょう。

症状や疾患によっては飲み薬や塗り薬が有効なこともあります。

皮膚に赤みがあるなど気になる症状があるときには、いつでもお気軽にご相談ください。

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)

 

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