ほくろは、一律に「除去した方がいい」「除去しない方がいい」と決められるものではありません。多くの良性のほくろは必ずしも治療する必要はありませんが、見た目が気になる場合などは除去を検討できます。
一方、急に大きくなったり、形や色が変わったりした場合は、除去方法を考える前に皮膚科で診断を受けることが大切です。
ここでは、除去を検討できるケースや先に皮膚科へ相談したいほくろの特徴、治療方法や傷跡について皮膚科医が解説します。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
2007年に東京大学を卒業後、東京大学医学部附属病院を中心に総合病院やクリニックで一般皮膚科、小児皮膚科、皮膚外科手術、アレルギー、美容皮膚科領域の診療を行ってきました。その経験・知識を活かし、幅広い医療機器を備えて、様々な皮膚のトラブルの助けになれるよう取り組んで参ります。
ほくろは除去しない方がいい?

良性のほくろで見た目や日常生活でとくに気にならない場合は、必ずしも除去する必要はありません。一方、顔など目立つ場所にあって気になる場合や、衣類などに触れて不快に感じる場合は、除去を検討できます。
ただし、除去後には赤みや傷跡が残ることがあり、ほくろの深さや治療方法によっては再び目立つこともあります。また、ほくろに見えても別の皮膚病変である場合もあります。
治療方法は、病変の大きさや深さ、部位などによっても異なるため、ほくろを除去するかどうかを決める前に、皮膚科で病変の種類や状態を確認することが大切です。
ほくろを「取らない方がいい場所」はある?

ほくろは特定の場所にあるからといって、一律に「取らない方がいい」とはいえません。たとえば、顔にあるほくろは、除去後の傷跡を考慮して治療方法を検討します。
また、手のひら・足の裏・爪などにある黒いできものは、除去方法を決める前に皮膚科で診断を受けることが大切です。「取らない方がいい場所」というよりも、診断を受けた上で治療方法を慎重に選びたい場所と考えるとよいでしょう。
皮膚科へ相談したいほくろの特徴

ほくろに次のような特徴がある場合は、一度皮膚科に相談しましょう。
- 左右非対称な形をしている
- 境界がギザギザしている
- 色に濃淡やムラがある
- 直径が6mm以上ある
- 急に大きくなった、色や形が変化した
これらは、皮膚がんの一種であるメラノーマを見分ける際の目安として用いられています。ただし、当てはまるからといって必ず悪性とは限らず、反対に典型的な特徴がみられないメラノーマもあります。
気になる変化がある場合は自己判断せず、皮膚科で診断を受けることが大切です。皮膚がんとの見分け方について詳しく知りたい方は「そのほくろ、大丈夫?皮膚がんとの見分け方と早期発見のポイント」もあわせてご覧ください。
ほくろを除去するか迷ったときの判断基準

ほくろを除去するかどうかは見た目だけでなく、ほくろの状態や日常生活への影響、治療後の傷跡なども踏まえて判断することが重要です。
次の表を参考に、除去を検討する際の判断の目安を確認してみましょう。
ほくろ除去で後悔しないためには「治療方法の選択」が重要

ほくろ除去では大きさや深さ、できている場所などを診察で確認し、状態に応じて治療方法を選ぶことが重要です。
顔の小さなほくろ|ラジオ波メス
ラジオ波メスは、ラジオ波のエネルギーを利用して、ほくろを削り取る方法です。顔の小さなほくろなどに用いられます。
小さなほくろなど|くり抜き法
くり抜き法では、直径1〜6mmの円形のトレパンという器具で皮膚をくり抜き、ほくろを除去します。状態に応じて傷を縫合する場合があります。
大きなほくろ・体のほくろ|メスによる切除縫縮
メスによる切除縫縮は、ほくろを周囲の皮膚ごと切除し、傷を縫い合わせる方法です。顔でも大きなほくろや、体にあるほくろなどで選択されます。
ほくろ除去後の傷跡はどうなる?

ほくろ除去後の傷跡の経過は、治療方法やほくろの大きさ、体質などによって異なります。
除去直後~1週間
除去直後〜1週間は、赤みや腫れ、出血などがみられることがあります。くり抜き法や切除縫縮で縫合した場合は、1週間程度を目安に抜糸します。
1か月後
1か月後ごろは、傷口がふさがっても傷跡に赤みが残っていることがあります。くり抜き法や切除縫縮では、赤みや硬さがみられる場合もあります。
3~6か月後
3〜6か月後は、傷跡の赤みが徐々に落ち着いていく時期です。ただし、傷跡の残り方には個人差があります。
傷跡を目立ちにくくするために気をつけたいこと
傷口をこすったり、かさぶたを無理にはがしたりせず、医師の指示に従って処置を続けましょう。傷が治ったあとは、色素沈着のリスクを抑えるために紫外線対策を行うことも大切です。
傷跡の経過について詳しく知りたい方は「ほくろ除去後の傷跡の経過について」もあわせてご覧ください。
自分でほくろを除去するのは避けましょう

ほくろを自分で削ったり、むしったりして除去するのは避けてください。
ほくろに見えても別の皮膚病変である場合があり、自己判断では見分けられないことがあります。
気になるほくろがある場合は、自分で除去しようとせず、皮膚科に相談しましょう。
川崎たにぐち皮膚科のほくろ除去の特徴

川崎たにぐち皮膚科では、ほくろの大きさや部位、状態を診察した上で、ラジオ波メス・くり抜き法・メスによる切除縫縮などを使い分けています。
「取ること」だけでなく、除去後の傷跡も考慮して治療方法を選択している点も、当院の特徴です。
また、見た目だけでは判断が難しい場合には、ダーモスコピーによる診断を行い、必要に応じて皮膚生検や病理組織検査にも対応しています。
当院では、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が診療にあたっています。治療後は、医師の指示に従って患部のケアを続けることが大切です。
当院のほくろ除去手術についてさらに詳しく知りたい方は「ほくろ除去手術|症状にあった治療法」もあわせてご覧ください。
ほくろ除去に関するよくある質問

ここでは、ほくろ除去に関するよくある質問に回答します。
Q.顔のほくろは取らない方がいいのですか?
顔のほくろも除去できますが、治療後に赤みや傷跡が残ることがあります。大きさや深さ、部位などを確認し、傷跡も考慮して治療方法を選ぶことが大切です。当院では、顔の小さなほくろにはラジオ波メスなどを用いています。
Q.ほくろは一度除去すれば再発しませんか?
ほくろの深さや治療方法によっては、除去後に再び色や盛り上がりが目立つことがあります。再発の可能性も含め、ほくろの状態に合った治療方法を選ぶことが大切です。
ほくろ除去後の再発について詳しく知りたい方は「ほくろ除去後に再発することはある?原因と再発予防のポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
ほくろを除去するか迷ったら、川崎たにぐち皮膚科へ

ほくろは、すべて除去した方がよいわけでも、取らない方がよいわけでもありません。大切なのは、大きさや形、部位、見た目の変化などを確認し、必要に応じて治療方法を選ぶことです。
除去を迷っている場合や気になる変化がある場合は、当院へご相談ください。
【参考文献】
日本皮膚科学会・日本皮膚悪性腫瘍学会:皮膚がん診療ガイドライン第4版 メラノーマ診療ガイドライン2025
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/melanoma2025.pdf
日本皮膚科学会:皮膚科Q&A「アザとホクロ」
https://qa.dermatol.or.jp/qa21/q10.html
日本皮膚科学会:皮膚科Q&A「メラノーマ(ほくろのがん)」
https://qa.dermatol.or.jp/qa12/index.html

