「ニキビ跡が気になって仕方ない」「セルフケアでニキビ跡は改善するの?」というお悩みはありませんか。ニキビ跡にはさまざまな種類がありますが、一度できてしまったニキビ跡は治すことが難しいと言われています。

 

今回は、ニキビ跡の種類と原因、ニキビ跡を作らないための対策や当院の治療法、治療の副作用や注意事項などをご説明します。

 

ニキビ跡の原因となるNGなスキンケア

ニキビを潰す

早くニキビをきれいにしたい思いから、ニキビを無理に潰す人もいるかもしれません。しかしニキビを潰した場合、症状が悪化し、クレーターや赤いニキビ跡になるおそれがあります。

 

力を入れて洗顔する

洗顔時にゴシゴシこすり洗いをすると、肌に負担がかかり、メラニンが過剰に生成されて色素沈着を起こすおそれがあります。洗顔の際は、よく泡立てた泡でやさしく洗い、できるだけ肌にふれないようにしましょう。

 

熱いお湯で洗顔する

熱いお湯で洗い流すと、肌に必要な皮脂まで洗い流すことになり、肌が乾燥することで過剰に皮脂が分泌されてニキビの症状が悪化します。洗い流すときは人肌くらいのぬるま湯で洗い流しましょう。

 

万が一、ニキビ跡になってしまった場合はニキビ跡の種類によって消す方法が異なります。ニキビ跡に合った方法を選ぶためにも、種類をご紹介します。

 

ニキビ跡の種類と原因

クレーター(萎縮性瘢痕・陥凹性瘢痕)

萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)や陥凹性瘢痕(かんぼつせいはんこん)と呼ばれています。

炎症により真皮層の肌細胞が破壊され、月の表面にあるクレーターのようにボコボコしたニキビ跡ができている状態です。

また本来は生成されるはずのコラーゲンが炎症によって作られない場合や、肌が下層へ引っ張られて皮下組織と皮膚に癒着が起こった場合は、肌表面に凹みがみられる可能性があります。

 

赤み(赤いニキビ跡)

ニキビ跡の中で頻度の高いタイプが、ニキビ跡の赤みです。

医学的には炎症後紅斑といい、毛穴の中で起きた化膿や炎症によって皮膚表面に傷がつくことにより生じます。

また、ニキビが長引いた際にも、炎症による赤みが残ってしまうことがあります。真皮層の浅い部分で起きているため、ニキビ跡の中では時間の経過とともに少しずつ改善しやすいことが特徴です。

 

皮膚の下にある血管が拡張すると、血管が透けて見えて赤いニキビ跡が生じることがあります。

毛穴の炎症や、炎症の程度がひどい場合、または炎症が何度も繰り返される場合には血管が拡張しやすくなります。

赤ニキビは生じてから1ヵ月ほどでピークを迎え、数ヵ月かけて薄くなっていきますが、人によっては改善まで1年ほどかかるなど個人差があります。

 

色素沈着(茶色いニキビ跡)

ニキビの炎症から肌を守るため、メラニン色素が大量に作られると茶色いニキビ跡ができることがあります。

健康な人の肌はターンオーバーが正常に行われますが、ニキビができている肌はターンオーバーが乱れやすいため、メラニンの排出がスムーズにいかずに色素沈着を起こしやすくなると考えられます。

 

肥厚性瘢痕(ケロイド)

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは、やけどの跡に似たようなニキビ跡です。

ニキビの炎症が長引いた場合、肌を修復するために肌の弾性組織であるコラーゲンが過剰に生成され、硬く盛り上がることがあります。

顎まわりやフェイスラインにできやすいことが特徴です。

 

段階別ニキビ跡を作らないための対策

ニキビは、白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビの順に進行していきます。ニキビの段階別に、ニキビ跡を作らないための対策をご紹介します。

 

白ニキビ

皮脂や古い角質などが毛穴につまり、白く見えるニキビのことで「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」と呼ばれています。

もっとも初期段階の状態です。通常、腫れや痛みはありませんが、放置することで悪化する可能性があるため、早めに対処しましょう。

白ニキビの段階でニキビを治すことでニキビ跡にはなりません。

洗顔時は清潔な肌触りのよいタオルを使用し、ニキビを潰すなどの刺激はしないようにしましょう。

また、食事の栄養バランスの偏りやファンデーションなどの化粧品を替えて肌に合わずニキビができやすくなるなども、ニキビの原因のひとつです。生活習慣や使用する化粧品を見直してみましょう。

 

黒ニキビ

アクネ菌が増殖しはじめ、毛穴に詰まっている皮脂が酸化すると毛穴が黒っぽく見えます。

黒ニキビは「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれ、放置すると炎症が起きたりニキビ跡につながるおそれもあります。

毛穴パックで黒い部分を除去しようとすると症状が悪化し、逆効果となります。

黒ニキビを見つけた場合は、洗顔を見直してみましょう。ゴシゴシ洗わずに、よく泡立てた泡でやさしく包み込むように洗うことがポイントです。

 

赤ニキビ

毛穴の中に皮脂や角質などがつまったところにアクネ菌が増殖して炎症を起こしている状態です。

赤ニキビができると治るまでに時間を要し、複数の赤ニキビが集まってしまうケースもあります。

赤ニキビを見つけた場合は、アクネ菌が増殖するもととなる皮脂の過剰分泌を抑えることが大切です。

ニキビを触らない、刺激を与えないことはもちろんのこと、刺激の少ない洗顔料で顔を洗うとよいでしょう。

 

黄ニキビ

毛穴の中が化膿し、膿が生じていることで黄色く見えます。

クレーター状のニキビ跡や色素沈着が起きるリスクが高いことが特徴です。

もっとも進行したニキビとされ、痛みを伴うようになります。早めにクリニックを受診することが望ましいです。

 

自分でできるニキビ跡ケア

一度できてしまったニキビ跡は自分で治すことが難しいのが現状ですが、ニキビ跡を今よりもできるだけ悪化させないためには以下のような方法が考えられます。

 

摩擦や強い刺激を避ける

ニキビ跡が気になってニキビ跡を触る、洗顔時に強くこするなどはやめましょう。

肌への強い刺激によってメラニンが生成され、さらにニキビ跡がひどくなる悪循環に陥ります。

 

紫外線対策をする

ニキビ跡の色素沈着はメラノサイトが活性化されている状態です。

紫外線の影響によって色素沈着の症状が悪化するおそれがあるため、紫外線対策が重要になります。

紫外線は一年を通して降り注ぎ、特に4~5月は一年の中でもっとも紫外線が強くなる時期です。

室内外問わず、毎日日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、しっかり紫外線対策を行いましょう。

 

保湿をする

ニキビ跡ができているところは肌のターンオーバーが乱れているうえ、肌のバリア機能も低下している状態です。

洗顔後には化粧水でうるおいを与え、乳液やクリームで蓋をして水分や油分を逃さないようにするなど、十分に保湿を行いましょう。

 

ピーリングをする

ピーリングによって不要な角質を除去することでターンオーバーが促され、皮膚の修復やメラニン色素の排出を促進することが期待できます。

ピーリングは肌への刺激が強い場合もあるため、週1回程度にしましょう。

 

ただし、できてしまったニキビ跡をセルフケアで治すことは困難です。ニキビ跡で悩んでいる方はぜひ当院にご相談ください。

 

ニキビ跡を改善する治療方法

当院では、ニキビ跡を改善する治療として以下のような施術をご提供しています。また、各施術の効果を実感しやすい時期には個人差があります。

 

Vビーム

Vビームは酒さや赤ら顔、血管腫などを改善するためのレーザー治療です。

Vビームは595nmというヘモグロビンにもっとも吸収されやすい波長をもち、赤ら顔などの原因とされる異常増殖した毛細血管にダメージを与えて破壊しますが、正常な血管へのダメージはほとんどないといわれています。

Vビームによるレーザー治療では、単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症は保険適用となります。

 

施術時間:30分

目安となる施術回数:1ヵ月に1回 

効果を実感しやすい時期:3回以上

 

ポテンツァ

ポテンツァはマイクロニードル治療の一種で、シミやくすみ、ニキビ跡、赤ら顔などさまざまな肌の悩みに対応した施術です。

極細の針で肌に目には見えないほどの小さな穴を開け、本来肌がもっている自然治癒力によって肌の再生を促します。

針先から高周波を照射することによる止血作用により、ダウンタイムが短いことが特徴です。

 

施術時間:60~120分

目安となる施術回数:1ヵ月に1回

効果を実感しやすい時期:浅い部分にあるクレーター跡は3~5回、深い部分にあるクレーター跡は5~10回

 

TCAクロス

TCA(高濃度トリクロロ酢酸)という薬剤を気になるニキビ跡にピンポイントで塗布し、ピーリング作用とコラーゲン産生促進作用によって皮膚の凹みを改善する施術です。

主に境界のはっきりした陥凹やアイスピック型の陥凹の治療に用います。

 

施術時間:5~10分

目安となる施術回数:1ヵ月~1ヵ月半に1回

効果を実感しやすい時期:3~6回

 

サリチル酸マクロゴールピーリング

サリチル酸マクロゴールという成分を使ったピーリング施術です。

古い角質を除去して、ニキビの原因と毛穴のつまりにアプローチします。

期待した効果を実感するまで複数回の施術が必要です。

 

施術時間:15~30分

目安となる施術回数:1ヵ月に1回

効果を実感しやすい時期:5回以上

 

ダーマペン

ニキビ跡の部分に微細な針を刺して細かいキズをたくさん作り、修復過程でコラーゲンを作らせて凹みを平らに目立たなくする施術です。

成長因子という細胞に働きかける成分を使用しコラーゲンの再生を促します。

 

施術時間:30〜60分

目安となる施術回数:2〜4週間に1回

効果を実感しやすい時期:5回以上

 

 

ニキビ跡でお悩みの方は、川崎駅前たにぐち皮膚科へ

ニキビ跡には、赤みやクレーター、ケロイドなどさまざまな種類があります。どのようなタイプのニキビ跡も、一度できるとセルフケアで治すことが難しいです

当院では患者さんの症状や肌の状態などに応じて、患者さんと相談のうえ、適切な治療法をご提案しています。気になるニキビ跡がある方は、当院へお気軽にご相談ください。

 

【川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修】

 

料金

<保険診療>

初診料 約900円
再診料 約200円
処方料 約200円

 

<自由診療>

初診料 1,100円(税込)
再診料 330円(税込)

 

下記の施術は、自由診療(自費)となります。

 

「Vビーム」

両頬の赤み赤ら顔、ニキビの赤み21,780円
鼻の赤み10,780円
鼻と顎の赤み16,280円
傷跡の赤み1箇所10,780円

 

ポテンツァ(マイクロニードル高周波治療)

ニキビ跡治療・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:サイトプロMD)
全顔1回88,000円(税込)
両頬+鼻or両頬+こめかみ1回69,300円(税込)

 

ニキビ跡治療・スキンリジュビネーション治療(使用薬液:ジュベルック)
全顔1回77,000円(税込)

 

「TCAクロス」(ニキビ跡の凹みのピンポイント治療)

5か所以下 1回5,500円(税込)
6〜10か所1回9,900円(税込)
11〜20か所1回17,600円(税込)

 

「サリチル酸マクロゴールピーリング」(ニキビ治療に)

顔全体 1回 7,700円(税込)
ピーリング+APPSイオン導入のセット10,780円(税込)
背中 1回 13,200円(税込)
ピーリング+APPSイオン導入のセット16,280円(税込)

 

「ダーマペン」

使用薬液 
サイトプロMD 33,000円(税込)
ウーバーピール  22,000円(税込)

 

副作用・注意事項

治療の経過や効果には個人差があります。気になる症状があらわれた場合には、すみやかに医師へ相談しましょう。

 

■副作用

「Vビーム」

腫れ、赤み、内出血、かさぶた、炎症後色素沈着 など

 

「ポテンツァ」

腫れ、赤み、内出血、熱感、かさぶた、炎症後色素沈着 など

 

「TCAクロス」

赤み、白斑、炎症後色素沈着 など

 

「サリチル酸マクロゴールピーリング」

赤み、ヒリヒリ感、乾燥など

 

「ダーマペン」

肌の赤み、内出血、腫れ、むくみ、かさぶた、炎症後色素沈着 など

 

■注意事項

「Vビーム」

施術後は、1~2週間ほど内出血が続く場合があります。

抗血小板薬などを内服している方は、内出血が強く出る可能性があります。

施術後は肌に痛みや赤みを生じることがありますが、通常、数時間~3日程度で落ち着きます。

痛みが続く場合は保冷剤を使用すると和らぎます。

まれに水ぶくれや紫斑が出ることがありますが、1~2週間で改善するケースが多いです。

施術当日の洗顔、メイク、入浴はお控えください。

 

「ポテンツァ」

当院では可能な限り痛みを軽減させる処置を行いますが、患者さんによっては痛みを強く感じることがあります。

施術部位の腫れは、時間とともに改善します。

施術後は、肌に日焼け後のようなヒリヒリした熱感を伴うことがありますが、通常1週間程度で軽快します。

施術後に生じる肌の乾燥は、ターンオーバーが進んでいる状態です。無理に擦らないでください。

施術前後1週間はピーリング製品やスクラブ入りの洗顔フォームなどはお控えください。

施術した部位は数日後にかさぶたとなり、自然に剥がれ落ちます。無理に剥がさないでください。

肌の赤みは1~2日続くことがありますが、通常1週間程度で改善します。

まれに炎症後色素沈着を生じることがありますが、医師の指示に従って処置を続けることにより、通常3~6ヵ月程度で改善します。

当日に洗顔やシャワー、翌日からメイクや入浴が可能です。患部をこすらないように注意しましょう。

施術後の肌は非常に敏感になっているため、十分な紫外線対策をしましょう。

 

「TCAクロス」

施術直後から数時間は肌がヒリヒリすることがあります。

施術部位は一時的に白くなりますが、数時間~数日でかさぶたになります。自然に剥がれ落ちるため、無理に剥がさないでください。

施術翌日からメイクが可能です。

 

「サリチル酸マクロゴールピーリング」

施術予定日の前後1週間は、ピーリング作用のある薬の使用はお控えください。

施術予定日の前後3日間は、施術予定部位へのシェービングは避けてください。

施術後1週間は、紫外線吸収剤の含まれていない日焼け止めクリームをご使用ください。

日焼け止め、保湿剤、ポイントメイクは可能です。

 

「ダーマペン」

施術後は肌に赤みやほてりが生じることがあります。

施術後は、洗顔やメイクをお控えください。

施術後の肌は非常に敏感になっています。十分に紫外線対策を行ってください。

 

下記に該当する方は、各種施術を受けられない可能性があります。必ず事前にご相談ください。

 

禁忌

妊娠中、授乳中の方

ペースメーカーなどを体内へ埋め込んでいる方

歯にブリッジ、インプラントが入っている方

抗血小板薬、抗凝固薬などを内服している方

金属アレルギー、ケロイド体質の方

治療部位に金属糸、金属プレートなどを入れている方

局所麻酔薬、抗生物質、その他の薬に対するアレルギーがある方

皮膚悪性腫瘍、てんかん、自己免疫疾患、糖尿病、糖尿病合併症、を患っている方

皮膚炎、単純ヘルペスが出ている方

 

「ポテンツァについて」

  • 未承認医薬品等:ポテンツァは未承認医療機器です。
  • 入手経路等:当院では、Jeisys Medical Inc.より、医師が個人輸入しています。
  • 国内の承認機器の有無:同程度の成分または性能を有する国内承認医療機器等はありません。
  • 諸外国における安全等に係る情報:諸外国においては、次の認証を取得済みです。MFDS(2019.01)

 

「TCAクロスについて」

  • 未承認医薬品等:TCAは医薬品医療機器等法上、承認されていない医薬品です。
  • 入手経路等:株式会社スズケンより富士フィルム和光純薬株式会社の製品を購入しています。
  • 国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
  • 諸外国における安全性等に係る情報:重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。

 

「サリチル酸マクロゴールについて」

  • 未承認医薬品等:サリチル酸マクロゴールは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器等です。
  • 入手経路等:国内製造のものを医薬品卸業者より仕入れています。
  • 国内の承認医薬品の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:海外での重篤な安全性情報の報告はありません。

 

「ダーマペンについて」

  • 未承認医薬品等:ダーマペンは医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 入手経路等:当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。
  • 国内の承認機器の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認機器等はありません。
  • 諸外国における安全性などに係る情報:米国FDAにおいて承認されています。