Vビームは、赤ら顔や毛細血管拡張症、ニキビ跡の赤みの改善などに効果が期待できる色素レーザーです。

症状によっては起こりやすい副作用があります。

今回は、Vビームに期待できる効果や副作用、経過や施術の注意点などをご説明します。

 

谷口 隆志(たにぐち たかし)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医

2007年に東京大学を卒業後、東京大学医学部附属病院を中心に総合病院やクリニックで一般皮膚科、小児皮膚科、皮膚外科手術、アレルギー、美容皮膚科領域の診療を行ってきました。その経験・知識を活かし、幅広い医療機器を備えて、様々な皮膚のトラブルの助けになれるよう取り組んで参ります。

 

Vビームとは

Vビームとは、595nmの波長をもつ色素レーザーです。

血液中のヘモグロビンに反応しやすく、異常に増殖した血管を熱破壊します。

 

Vビームはパルス幅を調整できるため、肌のハリ・ツヤに関与する線維芽細胞にはたらきかけ、コラーゲンの生成を促進します。

ニキビ跡や赤ら顔、肌のくすみ、肌のハリ・ツヤ感アップなど、さまざまな肌トラブルに対応しています。

 

また照射時に冷却ガスを噴射することにより、肌へのダメージや痛みを軽減できるレーザーです。

VビームⅡの治療は、症状によって保険適用と保険適用外にわけられます。

保険適用となる「乳児血管腫」「単純性血管腫」「毛細血管拡張症」以外は保険適用外となります。

 

保険適用:乳児血管腫、単純性血管腫、毛細血管拡張症

保険適用外:赤ら顔、ニキビ跡、肌のくすみなど

 

治療は1ヵ月の間隔をあければ照射可能ですが、保険適用の場合は3ヵ月を1クールとした施術となります。

 

Vビームはこんなことでお悩みの方におすすめ

Vビームは、主に以下のようなことでお悩みの方に適しています。

  • 赤ら顔を改善したい
  • ニキビ、ニキビ跡を治したい
  • 血管腫、赤あざに悩んでいる
  • 肌のハリ、ツヤがほしい

 

Vビームで期待できる効果

Vビームは、主に以下のような症状に効果が期待できます。

  • 乳児血管腫
  • 単純性血管腫
  • 毛細血管拡張症

乳児血管腫・単純性血管腫などのいわゆる赤あざは、皮膚内部の毛細血管が増えたり拡張したりして皮膚表面から透けてみえることによって赤みを帯びている状態です。

毛細血管拡張症は毛細血管が拡張してしまったために赤い線状の血管がみてわかるようになってしまった状態です。

Vビームの照射により、血管を選択的に破壊し症状を改善します。

 

施術回数の目安は、単純性血管腫、乳児血管腫などの血管腫は5回程度の施術をおすすめします。

また毛細血管拡張症は1回で効果を実感される方もいますが、複数回の施術で期待した効果を得られやすくなると考えられます。

ただし鼻部については、頬よりも回数を重ねる必要があります。

 

赤ら顔

赤ら顔も顔全体が血流の増加により赤みを帯びている状態ですが、一つ一つの血管が確認できるわけではなく、全体に赤みを帯びた状態です。

急な温度差などで顔全体が赤くなるなどの症状があります。

 

強い出力で血管の破壊を狙うのではなく、優しい出力で複数回の施術を経て徐々に改善を狙います。

施術回数の目安は5回程度です。

 

ニキビ・ニキビ跡

ニキビやニキビ跡の赤みは、炎症による皮膚内の毛細血管の異常が原因とされています。

Vビームの照射によって赤みを改善できるうえ、皮脂分泌抑制の効果も期待できます。

ニキビやニキビ跡は4週間以上の間隔をあけて3回程度の施術を推奨しています。

 

肌のハリ

Vビームの照射によって、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリ・ツヤ感アップなどの効果が期待できます。

肌質改善を目的とした照射の場合、4週間以上の間隔をあけて5回程度の照射を推奨しています。

 

施術の流れ

 

1.診察・カウンセリング

医師によるカウンセリングにより、患者さまの症状がレーザー治療に適しているかどうかを判断します。

 

2.洗顔

洗顔やクレンジングでメイクや汚れを落としていただきます。

 

3.施術

お肌を冷やしながら、レーザーを照射します。

施術時間は5~10分程度です。

痛みに不安のある方は、麻酔クリームを塗布します(別途料金・15分程度)。

麻酔の効果が出たら施術を開始いたします。

お気軽にご相談ください。

 

4.アフターフォロー

施術直後は肌に赤みが出ることがあります。

炎症を抑える薬を塗布して終了となります。

 

Vビームのダウンタイムについて

Vビームのダウンタイムは個人差がありますが、数日~1週間程度です。

赤みや腫れ、内出血などを生じることがありますが、通常は1週間程度で落ち着きます。

詳しい副作用や注意点などは、次項からご説明します。

ダウンタイムについて不安がある方、ダウンタイムの期間を短くしたい方は、事前に医師へご相談ください。

 

Vビームの副作用について

Vビームの経過や効果には個人差があります。

気になる症状があらわれた場合には、医師へ相談しましょう。

 

赤み

照射直後に肌に赤みが生じ、2週間ほど続くことがあります。

通常、数時間~3日ほどで落ち着きます。

 

痛み

肌の状態や患部の状態により、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。

必要に応じて、保冷剤などで冷やすと痛みが和らぎます。

 

むくみ、腫れ

施術後に腫れやむくみを生じることがあり、毛細血管拡張症などは腫れが出やすくなります。

通常、施術後2~5日ほどで落ち着きます。

 

かさぶた

かさぶたができた場合は、無理に剥がさないようにしてください。

1~2週間ほどで自然と剥がれ落ちます。

 

内出血

施術後に内出血を起こすことがあります。

通常は施術後、1~2週間程度で落ち着きます。

 

色素沈着・色素脱失

レーザーの照射による熱で肌に軽いやけどを起こした状態となるため、炎症後色素沈着や色素脱失を生じることがあります。

通常、数ヵ月ほどで落ち着きます。

以下に該当する方は、施術を受けられない可能性があります。

必ず事前にご相談ください。

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 極度の日焼けをしている方、日焼けをする予定のある方
  • 湿疹や炎症を起こしている部位

 

Vビームの経過

Vビームの治療後は、一般的には以下のような経過となります。

 

施術直後~

施術直後は肌の赤みやヒリヒリとした痛み、むくみや腫れなどを感じることがあります。

また単純性血管腫の場合は特に内出血が起こりやすいです。

 

施術2日目~5日目

施術後数日してから腫れが出てきて、その後数日で肌の赤みや痛み、腫れなどが落ち着いてきます。

 

施術1週間後~

通常、内出血は1~2週間ほどで落ち着きます。

またかさぶたが生じていた場合は、この頃には自然と剥がれ落ちます。

患者さんのお悩みや肌の状態によって、副作用やダウンタイムの期間には個人差がありますが、ほとんどの場合は1週間ほどで落ち着きます。

 

気になる症状がある場合や症状が強くなる場合には、医師へ相談しましょう。

また一般的にVビームによる治療はダウンタイムが短いことが特徴です。

当院では、ダウンタイムをより短くしたい方に施術の調節をする工夫をしています。

お気軽にご相談ください。

【お問合せ:川崎たにぐち皮膚科】

 

Vビーム施術後の注意点

  • 施術後は2週間程度、内出血が続く場合があります。
  • 血液をサラサラにする薬を服用中の方は、強い内出血を起こしやすいです。
  • 施術後は肌に赤み、痛みなどが生じる場合がありますが、通常は数時間~3日ほどで落ち着きます。
  • 痛みが治まらない場合は、保冷剤などで冷やしてください。
  • 痛みが強くなる場合や強い痛みが続く場合は、医師へ相談しましょう。
  • 洗顔、メイク、シャワーは翌日から可能です。
  • 治療期間中は肌が非常に敏感になっています。十分な紫外線対策を行ってください。

 

料金表

当院では、保険診療と自由診療(自費)で施術を行っています。

 

Vビーム

 

保険診療の場合(乳児血管腫、単純性血管腫、毛細血管拡張症)

約6,500円~32,000円(照射面積で変わります)

 

自費診療の場合

全顔レーザーフェイシャル32,780円
目元のハリ10,780円
両頬の赤み赤ら顔、ニキビの赤み21,780円
鼻の赤み10,780円
鼻と顎の赤み16,280円
傷跡の赤み1箇所10,780円

 

赤ら顔・毛細血管拡張症・ニキビ跡の赤みなどでお悩みの方は、川崎たにぐち皮膚科へ

Vビームは血液中のヘモグロビンに選択的に吸収され、異常な血管のみにアプローチして赤ら顔やニキビ跡の赤みなどの症状を改善します。

またレーザー照射時に正常な細胞を傷つけることなく、線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンの生成を促進します。

肌の赤みや腫れ、内出血、炎症後色素沈着などを起こすリスクはありますが、通常、時間の経過とともに落ち着きます。

赤ら顔やニキビ跡、血管腫などにお悩みの方は当院へお気軽にご相談ください。

 

【川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修】