「粉瘤の手術をすると痛みがいつまで続くのか不安」 「手術後は何に気をつければいいの?」 気になる粉瘤の手術をしたいけれども、手術後の痛みが気になるという方は多いのではないでしょうか?

手術後は自分でどんなケアをする必要があるのか、不安を感じている方もいるでしょう。

ここでは、粉瘤手術や術後の注意点について詳しく解説します。

 

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤は皮膚の内側にできる小さな袋状の嚢胞です。

皮膚から自然に剥げ落ちるはずの角質や皮脂が袋の中に溜まることによって、腫瘍を形成することがあります。

 

袋の中に溜まった角質や皮脂は体外に排出されず、時間が経過するにつれて徐々に大きくなることが一般的です。

粉瘤の原因として遺伝的な要因や皮膚の損傷・長期にわたる摩擦などが考えられますが、個々の状況によって異なる場合があります。

 

粉瘤(アテローム)の症状

粉瘤は皮膚の下にできる腫れや硬めの塊として現れます。

この塊は、直径数ミリから数センチ程度の大きさです。

通常は痛みを伴いませんが、感染や炎症を起こすと痛みが生じることがあります。

 

感染が進むと腫れ・発赤・膿が出ることもあるため、これらの症状が見られた場合は早めに医療機関を受診してください。

また、強く圧迫するとドロドロした臭い物質が出ることもあるため、注意が必要です。

 

粉瘤(アテローム)の手術

当院の粉瘤手術は、できるだけ痛みを抑え傷跡が残らないよう心掛けて行っています。

 

くり抜き法

くり抜き法は、皮膚の下にできた粉瘤(嚢胞)を完全に除去する手術です。

再発を防ぐために根本から取り除きます。

通常は局所麻酔を使用し、専用のパンチを用いて粉瘤を慎重にくり抜き、嚢胞の袋ごと除去します。

 

嚢胞を除去した後は、穴を開けたままにして軟膏処置をするか、または縫合するかを判断します。

軟膏処置の場合は1〜2週間で傷が自然にふさがりますが、縫合した場合は1週間後に抜糸が必要です。

 

メスを使った切除縫縮

メスを使った切除縫縮は、粉瘤の標準的な治療法です。

通常は局所麻酔を使用し、患部の大きさや深さ・種類に応じて切除範囲を決定し、中央の毛穴を含んだ皮膚を葉っぱの形に切り取り摘出します。

 

その後、皮膚を縫合しますが、粉瘤の大きさによっては粉瘤と同じ長さの線の傷跡が残る場合もあります。

1週間後に抜糸が必要です。

 

皮膚切開

皮膚切開は、粉瘤が腫れて膿が溜まってしまった状況で行われる手術です。

まず、化膿して腫れている場合には、抗菌薬を内服して炎症を抑えます。

粉瘤を触ってぶよぶよしている状態(膿が溜まっている)であれば、炎症を沈めるために切開して膿を排出する必要があります。

 

皮膚切開は局所麻酔を使用して行われ、膿を取り除いた後は縫合せずそのままの状態で処置を行います。

傷口は2〜3週間で自然にふさがります。

しかし、この皮膚切開は応急的な処置です。

 

約3ヶ月後に粉瘤の芯が残っていないかを確認し、改めて袋ごと完全に除去することが重要です。

粉瘤(アテローム)手術後の注意点 粉瘤手術後の日常生活を送る上での注意点について解説します。

 

飲酒・運動・入浴

手術当日はシャワー、飲酒、運動を控える必要があります。

飲食は普段通りで問題ありません。

抜糸までの約1週間は、湯船に浸かるのは避けてください。

 

痛み

手術後約2時間で麻酔が切れ始め、痛みが出ることがあります。

手術当日から翌日にかけて痛みがあることが一般的ですが、時間とともに徐々に軽減します。

小さな傷の場合は、ほとんど痛みはありません。

必要に応じて、痛み止めの内服薬が処方されます。

 

傷口のケア

手術後は傷口を清潔に保つことが重要です。

翌日からは、石鹸をよく泡立ててから傷口をシャワーで流してください。

その後、軟膏の塗布とガーゼ保護をご自身で行っていただきます。

 

合併症

手術後のわずかな出血は通常の反応です。

ただし、出血が続いたり量が多かったりする場合は、医師に連絡する必要があります。

また、局所麻酔によるアレルギー反応や赤み・腫れ・熱感などが見られる場合も、医師に相談してください。

 

当院における粉瘤手術の流れ

当院における粉瘤手術の流れは、次のとおりです。

 

1.受付・問診表の記載

粉瘤に気づいた時期や場所、持病・アレルギーの有無、内服薬についてなど記入していただきます。

 

2.診察

粉瘤の経過についてお聞きし、症状を診察します。

適切な治療法を判断し、手術の方法や麻酔、合併症などについて詳しく説明いたします。

 

3.手術

粉瘤の状態や場所に応じて手術します。

触れてぶよぶよしている場合は切開して膿を出す必要があるため、医師の判断により当日の切開処置を行うこともあります。

 

4.手術後のケアについての説明

手術後の傷口ケアや日常生活上の注意点、軟膏処置やガーゼ交換、痛み止めの内服方法などについて説明します。

次回の予約についてや、強い痛み・出血が多い場合など異常を感じたときの対処についても詳しく説明しますので、ご安心ください。

 

粉瘤の術後ケアがご不安な方は「川崎たにぐち皮膚科」へご相談ください

当院は、川崎周辺で切開手術を行っている数少ない皮膚科クリニックです。

粉瘤は基本的に自然治癒しません。

 

また、粉瘤は時間の経過とともに大きくなるため、できるだけ小さなうちに治療を行うことをおすすめします。

粉瘤にお悩みの方は、川崎たにぐち皮膚科までお早めにご相談ください。

 

手術後のケアや日常生活など、ご不安な点についても丁寧にご説明いたします。

当院の受診方法は、こちらをご確認ください。

 

【川崎たにぐち皮膚科院長|谷口隆志 監修】