ニキビと粉瘤(ふんりゅう)はどちらも特徴的な皮膚疾患です。

大きなサイズのニキビと粉瘤は見た目が似ていることもあり、勘違いされやすく自然に治ると考えて放置していると、症状が悪化してしまう可能性もあります。

ニキビと粉瘤はそれぞれ原因や治療法などが異なります。

正しい知識を身につけて、適切な対応を行なえるようにしましょう。

ニキビと粉瘤の違い

ニキビと粉瘤の「原因」、「症状」、「治療法」についてご紹介します。

それぞれの特徴について、詳しく確認していきましょう。

ニキビとは

ニキビは、おでこ、頬、口の周りなどにできる毛穴の炎症のことです。

思春期頃からよくみられる症状で、顔以外にも胸や背中などに発疹ができることもあります。

原因

ニキビができる代表的な原因は、「皮脂の分泌過剰」、「アクネ菌」、「毛穴の詰まり」です。


毛穴の奥に皮脂腺という皮脂を分泌する場所があります。皮脂腺から分泌された皮脂は毛穴を通って皮膚の外に出ていくのですが、何らかの原因で分泌された皮脂が毛穴の外に出て行けなくなると毛穴の中に皮脂が溜まってしまいます。


思春期になると男性ホルモンが増加して皮脂が過剰に分泌されやすくなります。そうなると皮脂が毛穴から十分に排出されずに溜まってしまい、皮脂を栄養としているアクネ菌が繁殖しやすい環境にもなりがちです。

生理前のホルモン分泌であったり、疲労・飲酒によっても皮脂の分泌は増えます。その他、毛穴の角質がうまくターンオーバーできずに溜まってしまうと毛穴の出口を塞いでしまうことになって皮脂の排出がうまくいかずに皮脂が毛穴に溜まってしまいます。

アクネ菌が増殖することで皮膚に炎症が起こるために症状も悪化しやすくなります。

症状

ニキビは主に「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」の3種類に分類されます。


白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まった最初の段階で作られるニキビです。症状が進行すると、皮膚が盛り上がって毛穴が開き、皮脂が酸化して黒い色になり、いわゆる黒ニキビになります。

毛穴に詰まった皮脂により、アクネ菌などの雑菌が繁殖すると、炎症が起こり赤ニキビになります。

治療法

ニキビ治療は、毛穴の詰まりを改善しながら炎症を抑えることが大切です。

外用薬では、毛穴の詰まりを改善する薬やアクネ菌の繁殖を抑えるための抗菌薬などを組み合わせて治療を行います。

複数種類の薬を混ぜて使うことでさらに効果を実感しやすくなり、塗布回数を減らすこともできます。ニキビの数が多いときや治りにくいとき、炎症を抑えるための抗菌薬や漢方薬などの内服薬も使います。

膿があるときには注射薬で治療します。上記以外にも、症状にあわせて面ぽう圧出療法などを併用することもあります。

粉瘤とは

粉瘤は本来であれば剥がれ落ちるべき垢(角質)や皮脂が、皮膚の下にある袋の中にたまってできたものをいいます。

原因

粉瘤の原因ははっきりと分かっていません。汚れがたまるというイメージから不潔にしているから起こると考えてしまいがちですが、生まれつきの体質によるものではないかともいわれています。

ヒトパピローマウイルスが関与しているという指摘もありますが、基本的に予防するのは難しく粉瘤ができたときにはしっかりと治療を行うことが大切です。

症状

角質や皮脂がたまっていくことで、時間が経つごとに少しずつ大きくなっていきます。

全身どの場所でもできてしまいますが、顔、背中、首、耳の後ろにできやすい傾向があります。

治療法

粉瘤の治療は、手術によってできものを取り除くことが必要です。雑菌により腫れや炎症が起こると膿ができることもあります。

そうなると切開して膿を出してから、傷跡が治ったあとに再度手術でできものを取り除かなければなりません。

放置したままで自然に治癒することはないため、小さいサイズの時に手術をするのが大切です。

ニキビと粉瘤を見分けるためには

ニキビと粉瘤を見分けるためには、「ニオイ」、「見た目」、「さわり心地」に注目してみましょう。

ニキビの特徴

ニオイ

ニキビの場合、ニオイはほとんどありません。

見た目

症状によって白、黒、赤などの色に見えます。中心部に黒い点はありません。

さわり心地

ほとんどでしこりは感じませんが、膿があるときにはしこりを感じることもあります。

粉瘤の特徴

ニオイ

強く圧迫するとドロドロした物質が出て臭いニオイを放ちます。

見た目

半球状に膨れ上がっており、中心には黒い点があります。

さわり心地

触るとしこりを感じます。

ご紹介した特徴はあくまで一例です。ご自身で見分けようとするあまりに、できものに傷がつくと症状が悪化する可能性もあります。

できものができたことに気がついたときには、まずは皮膚科を受診した方がよいでしょう。

それ以外にも皮膚科を受診した方がよい場合があるので、次の項目でご紹介します。

皮膚科受診をした方がよいときは

症状に気がついたときには、皮膚科受診を考えるべき時期にきているのかもしれません。

このような症状にお心当たりはありませんか?

  • 炎症悪化しているとき
  • 痛みがあるとき
  • 粉瘤のような膨らみがあるとき

時間が経つにつれて症状が悪化していると感じたときには、迷わず皮膚科を受診しましょう。

痛みや腫れなどの症状があるときにも、専門的な治療が必要です。

ニキビは、皮膚状態を改善しながら治療を行うため、治療開始後すぐに効果を実感できるわけではありません。

繰り返しできてしまったニキビによって、皮膚がダメージを受けるとニキビ跡が残ることもあります。粉瘤は、手術でしか治療を行なえません。放置しているとますます大きくなってしまい傷口が残りやすくなります。

ニキビと粉瘤のどちらも、気がついたときにすぐ皮膚科を受診することで早期治療が期待できます。

まとめ

当院では、ニキビ治療や粉瘤治療(日帰り粉瘤手術)のどちらも行っています。

皮膚に気になる症状が出たときや、痛みがあるとき、症状が悪化しているときなどご不安やお悩みがあるときには、いつでもお気軽にご相談ください。

(川崎たにぐち皮膚科院長 :谷口 隆志 監修)