粉瘤から発する嫌な匂いが気になり「自分で中身を出してもいいの?」「病院を受診すべき?」と悩んでいませんか。粉瘤の匂いは、たまった角質などの内容物や、細菌感染による膿などが原因で生じることがあります。
粉瘤そのものを根本的に治療するには、皮膚科で袋ごと取り除く必要があります。本記事では、匂いの原因や応急処置、放置するリスク、治療方法をわかりやすく解説します。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
2007年に東京大学を卒業後、東京大学医学部附属病院を中心に総合病院やクリニックで一般皮膚科、小児皮膚科、皮膚外科手術、アレルギー、美容皮膚科領域の診療を行ってきました。その経験・知識を活かし、幅広い医療機器を備えて、様々な皮膚のトラブルの助けになれるよう取り組んで参ります。
粉瘤の匂いがするのはなぜ?

粉瘤の匂いは、袋の中にたまった角質などの内容物や、細菌が内容物を分解して生じる物質が原因です。
粉瘤を圧迫したり袋が破れたりすると、白〜黄色のドロドロとした内容物が外に漏れ出し、独特の嫌な匂いを放つことがあります。匂いは、腐った魚や肉、チーズ、納豆などにたとえられることもあります。
また、赤みや腫れ、痛み、膿などを伴う場合は、炎症や感染を起こしている可能性があります。
粉瘤が臭くなる主な原因

ここでは、粉瘤が独特の臭いを生じる代表的な原因について見ていきましょう。
角質などの内容物がたまっている
粉瘤の袋には、角質などの内容物がたまっています。
これらの内容物が外に漏れ出ると、独特の臭いを感じることがあります。
細菌が内容物を分解している
皮膚に存在している常在細菌には、さまざまな種類があります。
細菌が粉瘤の内容物を分解すると臭いの原因となる物質が生じ、独特の悪臭を感じることがあります。
炎症や化膿によって膿がたまっている
粉瘤が細菌感染を起こすと、患部に膿がたまることがあります。
膿や内容物が外に出ると、独特の臭いを感じる場合があります。
粉瘤が破裂して中身が出ている
粉瘤が破裂すると、袋にたまっていた内容物が外に漏れ出し、独特の臭いを感じることがあります。
内容物が周囲の組織に漏れると、赤みや腫れ、痛みなどの炎症が起こる場合もあります。
粉瘤の匂いが気になるときの応急処置

粉瘤から内容物が出ている場合、患部を流水などでやさしく洗い、清潔に保ちましょう。
こすらずに水分を拭き取り、清潔なガーゼで覆って、汚れたら交換してください。
内容物を無理に絞り出すと、炎症や感染、傷跡につながるおそれがあります。市販薬やニキビ薬では粉瘤の袋を取り除けないため、根本的な治療にはなりません。
粉瘤の匂いを放置するとどうなる?

粉瘤が大きくなったり破裂して内容物が外に漏れたりすると、匂いが強くなる場合があります。また、内容物が周囲に漏れると、次のような症状が現れることがあります。
- 赤み、腫れ、痛み
- 膿や内容物の排出
- 炎症の悪化
粉瘤が破裂すると、周囲に炎症が広がることがあります。[1]
また、袋が周囲の組織と癒着すると、完全に取り除くことが難しくなる場合があります。状態によっては傷跡が目立ちやすくなる可能性もあるため、注意が必要です。
粉瘤を放置するとどうなるかについて、さらに詳しく知りたい方は「粉瘤を放置するとどうなる?炎症・臭い・破裂の危険を徹底解説」もあわせてご覧ください。
粉瘤の匂いがあるときにやってはいけないこと

粉瘤の匂いが気になるときにやってはいけないことは、次のとおりです。
- 自分で潰す
- 針で刺したり、刃物で切ったりする
- 強く押して中身を絞り出す
無理に刺激すると皮膚が傷つき、炎症や感染、傷跡につながるおそれがあるため、避けてください。内容物が出ても袋が残っていれば、再びたまる可能性があります。[2]
また、手元に残った抗菌薬を自己判断で使用したり、市販のニキビ薬だけで治そうとしたりせず、皮膚科に相談してください。
粉瘤の匂いで病院に行くべきサイン

次のような状態は、早めに受診すべきサインです。ただし、症状がなくても、粉瘤が気になった時点で皮膚科に相談することをおすすめします。
- 赤く腫れている
- 痛みや熱感がある
- 膿や血、内容物が出ている
- 急に大きくなった
- 匂いが強く、日常生活で気になる
とくに、粉瘤が破裂した場合や、痛み・感染を伴う場合、急速に大きくなった場合は、放置せず皮膚科を受診してください。[3]
粉瘤の治療方法

粉瘤を根本的に治療するには、内容物だけでなく袋も取り除く必要があります。当院では、粉瘤の大きさや炎症の有無などに応じて、以下の治療を行っています。
くり抜き法
くり抜き法は、局所麻酔をした後に型抜きを使って皮膚に穴を開け、内容物と袋を取り出す手術です。皮膚と袋がくっついていないときや、患部が小さいときに使います。
メスを使った手術に比べて、傷跡を小さく抑えやすいのが特徴です。そのため、とくに顔にできた小さな粉瘤に向いています。
メスを使った切除縫縮
局所麻酔をした後にメスを使って皮膚を切り開き、袋と内容物を取り出す手術です。患部が大きい場合や、炎症により内部の袋が皮膚とくっついている場合などに使います。
できるだけ傷跡が目立たないように配慮していますが、粉瘤の大きさによっては傷跡が目立つ場合があります。
炎症や膿がある場合の皮膚切開
袋の中に膿がたまっていると、炎症や腫れなどの症状が悪化する可能性もあります。当院では、診察で切開が必要と判断した場合、できる限り当日中に処置を行っています。
ただし、皮膚切開はあくまで膿を取り出すための応急処置です。粉瘤の袋が残ることがあるため、その場合は傷がふさがった後にあらためて摘出手術を検討します。
当院の粉瘤治療の考え方は「粉瘤はどこで治療する?川崎で比較検討中の方に知ってほしい診断と治療の考え方」もあわせてご覧ください。
川崎たにぐち皮膚科の粉瘤治療の特徴

川崎たにぐち皮膚科には、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が在籍しています。
粉瘤の大きさや炎症、膿の有無などを確認し、くり抜き法やメスを使った切除縫縮、皮膚切開などから状態に応じた治療を行っているのが特徴です。
また、当院では粉瘤の日帰り手術に対応しています。詳しく知りたい方は「美容皮膚科、形成外科 – 粉瘤(ふんりゅう)」もあわせてご覧ください。
粉瘤治療の料金
粉瘤治療には、保険が適用されます。3割負担の場合は、下記の料金が目安です。
一般的な粉瘤の治療(検査代など含む) | 10,000~15,000円 |
皮膚の切開 | 2,200~2,800円 |
粉瘤の匂いに関するよくある質問

ここでは、粉瘤の匂いに関してよく寄せられる質問に回答します。
Q:粉瘤の中身が出たら治ったことになりますか?
粉瘤の内容物が出ても、皮膚の下に袋が残っていると再びたまることがあります。粉瘤そのものを根本的に治療するには、医療機関で袋ごと取り除く必要があります。
Q:粉瘤の匂いは市販薬で治せますか?
市販薬やニキビ薬では粉瘤の袋を取り除けないため、粉瘤そのものを治すことはできません。匂いや腫れが気になる場合は、皮膚科を受診しましょう。
粉瘤を治したいと考えている方は川崎たにぐち皮膚科へ

粉瘤の匂いは、袋の中にたまった角質などの内容物や、細菌感染による膿などが原因で生じます。自分で潰したり中身を絞り出したりすると、炎症や感染、傷跡につながるおそれがあるため避けましょう。
匂いに加えて赤みや腫れ、痛みがある場合や、急に大きくなった場合は、早めに皮膚科を受診することが大切です。粉瘤を治したいとお考えの方は、川崎たにぐち皮膚科へご相談ください。
【参考文献】
[1] Park JS, Ko DK. A histopathologic study of epidermoid cysts in Korea: comparison between ruptured and unruptured epidermal cyst. Int J Clin Exp Pathol. 2013;6(2):242-248.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3544225/
[2] Mayo Clinic. Epidermoid cysts: Diagnosis and treatment. Updated March 27, 2024.https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epidermoid-cysts/diagnosis-treatment/drc-20352706
[3] Mayo Clinic. Epidermoid cysts: Symptoms and causes. Updated March 27, 2024.https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epidermoid-cysts/symptoms-causes/syc-20352701

