花粉症の時期になると鼻づまりや目のかゆみ、くしゃみなどに加えて、肌のかゆみやヒリヒリ感などの肌荒れが気になるという方はいませんか。
花粉が皮膚に触れることで起こる花粉皮膚炎が生じているかもしれません。
今回は、花粉皮膚炎の市販薬の選び方を症状別にご紹介します。
花粉皮膚炎とは?
花粉皮膚炎とは、「花粉が皮膚に触れることで起こる皮膚炎」のことを言います。
花粉症の症状は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどが一般的ですが、肌の赤みやヒリヒリ感、むくみなどが見られることがあります。
このような症状が「花粉が飛散している特定の時期」にだけ生じている場合、花粉皮膚炎の可能性が考えられます。
症状は顔の中でもマスクで覆われていない目の周りや頬などに出ることが多く、アトピー性皮膚炎の方や、湿疹が出やすい体質の方は花粉皮膚炎になりやすいと考えられています。
また、春のスギやヒノキだけでなく、夏に飛散するイネ科の植物、秋に飛散するブタクサなどが原因となることもあります。
「【皮膚科医監修】花粉症による肌荒れ|原因や治療法、スキンケア方法のご紹介」も併せてご覧ください。
花粉皮膚炎の市販薬
花粉皮膚炎の治療は、炎症を抑える塗り薬による治療と、アレルギー症状を抑える飲み薬による治療が一般的です。
花粉皮膚炎に有効な市販薬の成分は大きく分けて以下の3つがあります。
ステロイドの塗り薬
湿疹や皮膚炎の治療に使われるステロイド薬は、アレルギー反応が原因となる体の炎症を抑える効果が期待できます。
ステロイド薬には5段階の強さがあり、市販薬で購入できるのは3段階目までです。
症状や部位などにより適した強さが異なります。
市販のステロイド配合の塗り薬には、軟膏タイプやクリームタイプがあります。
保湿剤
保湿剤による乾燥対策も大切です。
皮膚が乾燥すると肌のバリア機能が低下するため、小さな刺激でも炎症を起こしやすくなります。
肌の吸水性や保湿性に優れているヘパリン類似物質が配合されている塗り薬がおすすめです。
ヘパリン類似物質が配合されている市販薬には、さらっとした化粧水タイプや乳液タイプ、保湿力の高い軟膏タイプがあります。
白色ワセリンも、皮膚の水分の蒸発を防ぎ肌をバリアする働きがあります。
抗ヒスタミン薬の飲み薬
ヒスタミンは、花粉症の症状を起こす原因物質です。
このヒスタミンの働きをブロックするために用いられるのが抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン薬には、第一世代抗ヒスタミン薬と、第二世代抗ヒスタミン薬がありますが、薬を選ぶ際には眠気や口の渇きなどの副作用が少ない第二世代抗ヒスタミン薬を選びましょう。
代表的な抗ヒスタミン薬には、「アレグラ」「アレジオン」「ビラノア」などがあります。
花粉皮膚炎の市販薬の選び方は?
ここでは症状別の市販薬の選び方についてご紹介します。
炎症が強いとき
肌に赤みがある炎症が強いときは、ステロイド薬が配合された市販薬が適しています。
ステロイド薬には5段階ありますが、顔などの皮膚の薄い部分に塗る場合は弱いほうから2番目のミディアムを選びましょう。
かゆみが強いとき
かゆみを改善したい場合は、第二世代の抗ヒスタミン薬がおすすめです。
1日1回の服用で24時間効果が持続するタイプもありますので、生活スタイルに合わせて選択しましょう。
抗ヒスタミン薬には眠気を引き起こすものもありますので、必ず使用上の注意を確認しましょう。
乾燥が強いとき
皮膚のカサカサ感や乾燥を感じるときは、保湿を徹底しましょう。
肌が乾燥していると、肌のバリア機能が正常に働かず、少しの刺激でも炎症を引き起こします。
毎日の保湿にはヘパリン類似物質が配合された保湿剤がおすすめです。
化粧水タイプや乳液タイプなど日常で使いやすいテクスチャーものもありますので、継続しやすいものを選びましょう。
市販薬で症状が改善しない場合は皮膚科の受診を
市販薬を使用しても症状が改善しない場合は皮膚科を受診しましょう。
花粉皮膚炎を疑って市販薬を使用しても改善しない方の中には、別の疾患が原因のケースもあります。
皮膚科では皮膚炎の原因を調べるための検査を行い、お一人おひとりの症状や皮膚の状態によって適切な治療を受けることができます。
また、花粉症の原因物質であるスギ花粉のエキスを少しずつ体内に入れることで、徐々に花粉に体を慣らし症状が出ないように体質を改善していく根本的な治療も行っています。
花粉皮膚炎の相談は川崎たにぐち皮膚科へ
当院では花粉皮膚炎の症状だけでなく、全身の状態を見ながら最適な治療法を提案します。
花粉症でお悩みの方だけでなく、花粉症でなくても皮膚に症状が現れる方、検査をご希望の方もお気軽にご相談ください。
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